宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

銀河中心ブラックホールの自転軸は、宇宙の巨大網に沿っていた

2014年11月27日 | 宇宙 space
明るい銀河の中心ブラックホールの自転軸の方向が、
宇宙に広がる巨大な網の目構造に沿う傾向が見つかりました。

これは、宇宙の進化プロセスを探るうえで重要なヒントになるようです。


南米チリの超大型望遠鏡“VLT”を用いて行った観測研究から、
数十億光年を隔てて位置するクエーサー93個の自転軸の向きが、
揃っていることが分かったんですねー

クエーサーとは、
遠方銀河の中心核にある巨大質量ブラックホールにより、
ひじょうに明るく光る天体のことです。

重力で集まった物質が渦巻く円盤は超高温となり、
ブラックホールの自転軸に沿ってジェットを噴き出します。

研究では、自転軸やジェットそのものを直接見たわけではなく、
それぞれのクエーサーの偏光(光の振動の向き)などから、
円盤の角度と自転軸の向きをつかむことになります。

さらに、これらの自転軸の向きが“宇宙の大規模構造”のフィラメントに、
沿う傾向も見いだしたんですねー
“宇宙の大規模構造”と、網の目に沿ったクエーサーの自転軸
(イメージ図)

数十億年スケールでは銀河の集まりの分布は、
一様ではなく、網の目構造に連なっていて、
これが“宇宙の大規模構造”と呼ばれています。

研究では観測された傾向が、
偶然である確率は1%未満と見積もられているので、
クエーサーの向きと“宇宙の大規模構造”の関連性が、
観測で確認されたのは初めてのことになります。

このことは、宇宙の進化を数値シミュレーションで明らかにするうえで、
重要なヒントになるようですよ。