宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

“いて座A*”ブラックホールニュートリノ工場?

2014年11月22日 | 宇宙 space
これまで由来が分からなかった、高エネルギーのニュートリノ。

このニュートリノが、
天の川銀河中心の巨大質量ブラックホールからやって来ることが分かってきたんですねー

巨大質量ブラックホールが存在する、
天の川銀河中心部の“いて座A*”(画像のSGR A)付近。

ニュートリノは電荷を持たず、電子や陽子とほとんど相互作用しない粒子です。

光や荷電粒子と違い、物質をすり抜け、
磁場に影響されることもなく、宇宙空間を飛び回ることができます。

地球には、太陽から大量のニュートリノが降り注ぎ、
さらに太陽系外からは、その数百万倍から数億倍ものエネルギーを持つニュートリノが飛来しています。

こうした高エネルギーのニュートリノは、
銀河同士の衝突や、ブラックホールへの物質の落ち込み、
パルサー風といった大規模な現象で作られると考えられています。

今回の研究で、高エネルギーのニュートリノが、
天の川銀河の中心に存在する巨大質量ブラックホールで生成されている、
という兆候を初めてつかむことになります。

NASAの“チャンドラ”などの天文衛星が、
ブラックホール周辺で爆発的なX線フレアを観測した数時間後、あるいは数日後に、
南極地下のアイスキューブ観測所で、ニュートリノを検出したんですねー

これで、ブラックホール周囲の粒子が、衝撃波で加速されて荷電粒子が作られ、
それが崩壊してニュートリノになるとう仮説が成り立つことになります。

この仮説は、高エネルギー宇宙線の由来という、もう1つの謎のヒントにもなるようです。

荷電粒子から成る宇宙線は、銀河内の磁場に影響されて進みます。

なので、どこから来たか分かりにくいのですが、
銀河中心ブラックホールの衝撃波による加速が、エネルギー源という可能性も出てきたんですね。