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宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

火星の上空に巨大な謎の雲が出現

2015年02月20日 | 火星の探査
アマチュア天文家達が、
火星上空の高高度で奇妙な雲状のプルーム(煙流)を発見しました。
このことで火星大気の組成に関する謎が深まっているようです。

この現象が観測されたのは、2012年3月12日の火星上の“明暗境界線”上空でした。

“明暗境界線”とは、星表面の光が当たっている部分と、当たっていない部分の境目。

1つ目のプルームは、約10時間かけて形成され、その約11日後に消えています。

その間、プルームの形状は次第に変化し、
「2つの丸みを帯びた突起物」から複数の柱状になり、最終的には合体して1本の「指」の形になったそうです。

2つ目のプルームが出現したのは2012年4月6日のこと、
ほぼ同じ場所で見つかり、約10日後に消えることに…

これら2つのプルームは、
火星南部の起伏の多い高知の一部“キンメリア大陸”の上空、
光度約200~250キロに達する高高度に出現したそうです。

南北および東西の方向に500~1000キロの範囲で広がっていたんですねー

現在火星では、水と火山活動の痕跡を探すための詳細な探査が行われています。
理論上、この2つの要素を巡っては、何らかの形の生命を育んだ可能性があるからです。

これまでにも、チリや氷の結晶でできた雲は、火星の上空でたびたび発見されてきました。

でも、それらの雲はすべてが100キロより低高度で形成されたもので、
今回のように広範囲に及ぶ雲が発見されたのは初めてのことでした。
火星の南半球で発見された煙流
(右側の写真の黄色い円で囲まれた部分。左側はその拡大写真)は、
10時間かけて湧き上がり、1週間以上留まっていた。
火星で、これほど高い位置まで到達した煙流が観測されたのは初めてのこと。

今回の研究では、
プルームが水や二酸化炭素の微粒子で出来ている可能性があるとしています。

でも一方で、太陽から吹き付ける粒子が、地球磁場に衝突して地球大気中で発光する
“オーロラ”に似た現象が起きている可能性にも触れているんですねー

“キンメリア大陸”には、局地的で強力な磁場を持つ“帯状地”が存在することが、
火星周回機による過去の観測で示唆されています。

もし、このことが正しければ、
火星の“オーロラ”は、地球の“オーロラ”より1000倍も明るくなるようですよ。