宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

準惑星ケレスの最新画像に謎の白い点が…

2015年02月24日 | 小惑星探査 ドーン
火星と木星の間にある小惑星帯の中で最大の天体になる準惑星ケレス。
このケレスの最新画像に、想像を超える不思議な世界が写っていたんですねー
これまでで最も鮮明なケレスの画像には、正体不明の白い点が複数確認できる。
ハッブル宇宙望遠鏡の撮影した最高画質の写真と比べても4倍の解像度になる。

2月17日に公開された画像を見ると、
直径950キロの氷の世界の表面を、クレーターがあばたのように覆い、
南極のあたりにはゴツゴツとした地形が広がり、
全体にわたって正体不明の白い点が複数確認できました。

白い点は氷原のようなんですが、はっきりとしたことは分からず…
少なくとも1つは、ハッブル宇宙望遠鏡が以前に撮影した不鮮明な写真にも、
微かに映っていたそうです。
探査機“ドーン”(イメージ図)

今回公開された画像は、ケレスから8万6000キロの地点で、2月12日にNASAの小惑星探査機“ドーン”が撮影したもの。

3月6日に“ドーン”はケレスの周回軌道に乗り、この天体が何で出来ているのか、
地表の下には何があるのかなどを、1年かけて調査するすることになっています。

2014年には、ケレスから噴出する水蒸気が観測されているので、
その原因についても調べる予定なんですねー

比較的大型で水を含んでいると考えられているケレスは、
小さくて乾いた岩石ばかりの小惑星帯の中では、かなり異色な存在になります。

そのため一部の専門家は、
ケレスが、どこか他の場所で生まれたのではないかと考えています。

また、「周囲の小惑星とは時期がずれて成長したのかもしれない」という見方も…

実は、この謎を解く手がかりがあったりします。
それは、小惑星帯の中にある、もうひとつの大きな天体ベスタです。

ベスタは乾燥してチリの多い小惑星で、
“ドーン”が2011年半ばから2012年終わりにかけて、
その周囲を旋回して調査を行っていました。

この2つの天体を比較して、「ケレスの正体に迫ろう」 っという訳なんですねー

ケレスを含む小惑星帯は、45億年前の太陽系誕生当時、
太陽がまだ若く、回転するガスやチリから惑星たちが形成され始めた頃から存在していました。

なので、ケレスのような天体の中には、太古の記録が収められていることになります。
この記録を呼び出すことで、初期の太陽系の様子を知ることが出来るのかもしれません。

太陽系の誕生だけではありません。
それから数億年後に起こったと言われている、惑星の大移動についても、
小惑星帯の中に、その歴史をひもとく手がかりが眠っているのかもしれないんですねー


“ドーン”は、ケレスに到着してから1年をかけて準惑星を調査します。

その後、燃料が切れれば機能は停止し、
小惑星の周囲を、そのまま旋回し続けることになるようです。