宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

ベビーブームに遅れて生まれた太陽系は、生命の誕生に適していた?

2015年05月19日 | 宇宙 space
天の川銀河で大量に星が生まれた“ベビーブーム”の時代は、
約100億年前のことになります。

ただ太陽は、そのベビーブームから遅れること約50億年…
星の形成がすっかり落ち着いてしまった頃に、ようやく誕生したようです。


天の川銀河は、数千個の星が集まった天体で、
その星が、最も活発に作られていたのは、今から約100億年前のことになります。

天の川銀河の現在の星形成率は、1年に太陽1個分程度ですが、
ベビーブームだった100億年前には、
天の川銀河は現在の30倍もの勢いで、星を生み出していたと考えられています。
100億年前の天の川銀河(イメージ図)。
赤い部分で星が勢いよく作られている。
集団で生まれた星は、青い集団として描かれている。

今回の研究では、
ハッブル宇宙望遠鏡や赤外線天文衛星“スピッツァー”、“ハーシェル”のデータを用いて、
数千個もの銀河を調査。

宇宙の歴史の中で、天の川銀河のような銀河が、
どのように成長し星を生み出してきたのかを調べています。


遠い銀河を観測すれば、
それだけ過去の、つまり宇宙の早い時代の銀河を見ることができます。

こうして100億年以上も宇宙の歴史をさかのぼって、
銀河の成長や星形成の歴史を調べたんですねー

結果、各時代にどのくらいの勢いで星が作られ、銀河が成長したかが分かってきました。

様々な時代の銀河。左端は113億年前。
時代が進むにつれて、銀河が大きく、重くなり、形も整ってくる。

一方、太陽が誕生したのは今から約50億年前。
つまり、天の川銀河のベビーブーム時代から、約50億年も後のことになります。

もちろん、遅いから悪いわけではなく、
それどころか、遅かったおかげで太陽系や生命が誕生したとも言えます。

惑星や生命の元になる酸素や炭素、鉄など重い元素は、
ベビーブームの頃に生まれた星の内部で作られ、星の死とともに宇宙空間に広がって、
次の星へと取り込まれていきます。

なので、時代が進むほど宇宙での存在量が増えていき、
生命が誕生する環境も整っていったことになるんですねー