宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

球状星団中で起こった惑星破壊

2015年05月29日 | 宇宙 space
球状星団中の白色矮星によって、
惑星が破壊されたかもしれない っという現象の証拠が、
NASAのX線天文衛星“チャンドラ”などの観測から見つかりました。
球状星団“NGC 6388”。
“チャンドラ”とハッブル宇宙望遠鏡による観測データから作られた、
擬似カラー画像。

この発見は、まず天文衛星“インテグラル”が、
さそり座の球状星団“NGC 6388”に、新しいX線源を検出したことから始まります。

以前の観測で、
この球状星団の中心に、ブラックホールがあることが示唆されていたので、
X線は、ブラックホールに流れ込む高温ガスから発せられていると、
考えられていました。

でも、“チャンドラ”で観測を行ったところ、
このX線源の位置が、中心からズレていることが分かることに…

さらに衛星“スウィフト”が、
約200日間にわたって、X線の強度変化を追い続けたところ、
X線が弱くなっていくようすは、
「惑星が白色矮星に破壊された」とする理論モデルと一致したんですねー

この惑星の質量は地球の3分の1ほどで、
元は別の星の周りを公転していたと見られています。

球状星団中の中心部には星が密集しているので、
それらの影響で、惑星は親星と離れ離れになり、
そして惑星が、白色矮星の近くを通りかかったときに、
強い重力の影響で、粉々に破壊されてしまったようです。

なのでX線は、
惑星のかけらが白色矮星の表面へと降っていく際に、
放射されたものと考えられ、
その強さも計算とよく合っていたそうです。

白色矮星は、
太陽程度の質量の星が、進化の最終段階に迎える天体です。

大きさは地球ほどしかないのですが、
質量は元の星と同程度なので、極めて高密度になり、
近くの天体に強い潮汐力を及ぼします。

今回の解釈が正しければ、
惑星の破壊というまるでSFのような現象が、
実際に宇宙で起こっていることになりますね。