
土星の衛星エンケラドスのすぐ近くには、
長く曲がりくねった弦のような構造を見ることが出来ます。
この構造が、
エンケラドスの間欠泉から噴出した氷の粒で作られていることが、
シミュレーションの結果などから分かったそうです。

NASAの土星探査機“カッシーニ”が撮影した衛星エンケラドス周辺の写真に、
指のような形をした淡い構造が見られることがあります。
この弦状構造は、
おそらく、エンケラドスの間欠泉から噴出した氷で作られているようなんですが、
間欠泉と構造が、直接むすばれたことはありませんでした。
そこで、エンケラドスの南極に見つかっている間欠泉から噴出した氷粒が、
どのような軌道を描くかをシミュレーションすることに…
すると、撮影されたような弦状の形を、再現できることが分かったんですねー
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エンケラドス周辺に見られる弦状構造(a、c)と、 それぞれを再現したシミュレーション画像(b、d)。 |
軌道は氷粒の大きさによって変化するのですが、
シミュレーションによって弦状構造を再現したときの氷粒の大きさは、
エンケラドスからの噴出物で作られる、
土星のE環に見つかっている粒子のものと一致していました。
さらに、弦状構造の形が時間の経過で変化するのは、
エンケラドスが土星を公転する間に受ける、潮汐力の変化からきているようです。
エンケラドスが大きな潮汐力を受けると、
間欠泉からの噴出物が増えて、弦状構造の形が変化するんですねー
