ヨーロッパ宇宙機関の彗星探査機“ロゼッタ”による観測から、
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の表面から噴き出す水分子と二酸化炭素分子が、
急速に分解される原因が分かってきたんですねー
ただ、分解を引き起こしているのは、
これまで考えられてきた“太陽光”ではなく“電子”だったようです。
水と二酸化炭素ガスの観測
“ロゼッタ”は、2014年8月にチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に到着して以来、
彗星を周回しながら複数の搭載機器で、データを集めてきました。
搭載機器の1つ分光器“Alice”を使って、
彗星の大気の化学的組成を遠紫外線で調査。
すると、彗星のコマに存在する水と二酸化炭素の大半は、
彗星表面からの噴出に由来するものであることが示されることになります。
なので今回の研究では、
太陽によって温められて彗星表面から噴出する水と二酸化炭素ガスの性質に、
スポットを当てられることになります。
そして、彗星核近くの水分子が分解してできた水素原子と酸素原子、
および二酸化炭素分子が分解してできた炭素原子からの放射にも注目。
その結果、分子の分解プロセスが2段階であることが分かってきたんですねー
分解は太陽光でなく分子だった
太陽からの紫外線が、彗星のコマに存在する水分子に当たると、
エネルギーの高い電子が放出されて水分子が電離します。
放出された電子はコマに存在する別の水分子に当たり、
分子は2個の水素原子と1個の酸素原子に分かれ、原子がエネルギーを得ることに。
“Alice”で検出したのは、この原子が放射した特徴的な紫外線でした。
同様に、電子が衝突し分解された二酸化炭素分子からの炭素原子が放つ紫外線、
これも観測されたんですねー

この結果は、彗星のごく近くで探査を行って初めて分かったこと。
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は、今年の8月に太陽に最接近します。
なので、今後ますます活動が活発になって行くことになります。
“ロゼッタ”は、その活動を間近でとらえ続けるんですねー
どんな新しい発見があるのか? 楽しみですね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 彗星探査機“ロゼッタ”は、一時制御不能に陥っていた
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の表面から噴き出す水分子と二酸化炭素分子が、
急速に分解される原因が分かってきたんですねー
ただ、分解を引き起こしているのは、
これまで考えられてきた“太陽光”ではなく“電子”だったようです。
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チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星 2014年11月20日に31キロの距離から撮影 |
水と二酸化炭素ガスの観測
“ロゼッタ”は、2014年8月にチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に到着して以来、
彗星を周回しながら複数の搭載機器で、データを集めてきました。
搭載機器の1つ分光器“Alice”を使って、
彗星の大気の化学的組成を遠紫外線で調査。
すると、彗星のコマに存在する水と二酸化炭素の大半は、
彗星表面からの噴出に由来するものであることが示されることになります。
なので今回の研究では、
太陽によって温められて彗星表面から噴出する水と二酸化炭素ガスの性質に、
スポットを当てられることになります。
そして、彗星核近くの水分子が分解してできた水素原子と酸素原子、
および二酸化炭素分子が分解してできた炭素原子からの放射にも注目。
その結果、分子の分解プロセスが2段階であることが分かってきたんですねー
分解は太陽光でなく分子だった
太陽からの紫外線が、彗星のコマに存在する水分子に当たると、
エネルギーの高い電子が放出されて水分子が電離します。
放出された電子はコマに存在する別の水分子に当たり、
分子は2個の水素原子と1個の酸素原子に分かれ、原子がエネルギーを得ることに。
“Alice”で検出したのは、この原子が放射した特徴的な紫外線でした。
同様に、電子が衝突し分解された二酸化炭素分子からの炭素原子が放つ紫外線、
これも観測されたんですねー

この結果は、彗星のごく近くで探査を行って初めて分かったこと。
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は、今年の8月に太陽に最接近します。
なので、今後ますます活動が活発になって行くことになります。
“ロゼッタ”は、その活動を間近でとらえ続けるんですねー
どんな新しい発見があるのか? 楽しみですね。
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