宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

日本がブラックホールの直接検出へ挑戦!

2015年06月23日 | 宇宙 space
大阪府立大学などの研究グループが、
国内の複数の電波望遠鏡を用いて観測を行い、
日本初になる230GHz帯のVLBI観測実験を成功させました。

これにより日本も、
ブラックホールの直接検出に、大きく貢献すると期待されているんですねー


ブラックホールを検出するには

ブラックホールの存在は、
周囲の天体の運動などから、間接的に確認されているのですが、
まだ、直接的に観測されてはいません。

その存在を確認する有力な方法の1つとして、
遠く離れた複数の電波望遠鏡を用いる、
超長距離基線干渉計“VLBI”という手法が期待されているんですねー

VLBIでは、構成する望遠鏡間の最長距離と、扱う電波信号の周波数に比例して、
対象をどれだけ細かく識別できるかを表す指標“角度分解能”が向上します。

そして、ブラックホールを検出するのには、
230GHz以上の周波数が必要になると計算されています。


日本が行った実験とは

大阪府立大学が野辺山宇宙電波観測所で開発・運用している、
“OPU 1.85m望遠鏡”と“SPART 10m望遠鏡”という2つの電波望遠鏡を使用。
日本初になる230GHz帯での観測実験に成功したんですねー
国立天文台 野辺山観測所におけるVLBI観測

これまで国内のVLBI観測の実績は、86GHz程度までと低く、
世界水準と比べて遅れをとっていました。

なので今回の成果は、
国内のVLBI技術水準を引き上げることになります。

さらに、ブラックホール検出という世界的な研究分野に、
日本が大きく貢献できることを示したことになるんですねー


今回のような2台でのVLBIでは、
弱い信号を検出する能力は極めて低いのですが、
構成する望遠鏡が多くなるほど高くなっていきます。

ブラックホールの検出には、
まだまだ多くの望遠鏡の協力が必要になりますね。


こちらの記事もどうぞ ⇒ 銀河中心ブラックホールのそばで、これまでにないフレア現象