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モバライダー mobarider

“カッシーニ”がとらえた衛星ハイベリオンの最新画像

2015年06月17日 | 土星の探査
このスポンジのような奇妙な姿は、
NASAの探査機“カッシーニ”がとらえたもの。

土星の第7衛星ハイベリオンへの最後のブライバイを実施した際に、
撮影されたものなんですねー
“カッシーニ”が5月31日に撮影したハイベリオン。
クレーターの底に暗い物質が見える。

ハイベリオンは直径270キロの衛星で、
表面には深いクレーターが無数に存在しています。

スポンジのようにも見える奇妙な姿は、
ハイベリオンの密度が、このような大型の天体としては異常に低いため、
水の半分ほどしかないそうです。

ハイベリオンの自転周期と自転軸は、不規則に変化し予測不可能なので、
特定の狙った領域を撮影することは難しくなります。

それでも2005年に505キロまで再接近するなど、
“カッシーニ”は、これまでにも何度かハイベリオンを探査していて、
ある程度は同じ領域をとらえているんですねー

また、ハイベリオンは公転中に土星の磁気圏を通過し、
プラズマにさらされて電気を帯びることに…

このハイベリオンからの電子ビームを、
2005年には“カッシーニ”のプラズマ分光器が検出したこともありました。

“カッシーニ”の次なるフライバイは6月16日になり、
氷の衛星ディオネに516キロの距離まで接近します。

そして、10月に予定されている最後のフライバイでは、
今最も注目されている衛星エンケラドスに、
わずか48キロまで近づくんですねー

その後、“カッシーニ”は土星の赤道面から離れ、
土星とその環の間を飛行する最後のミッションを行うことになります。