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ロケットの着陸試験に成功! ブルー・オリジンの新型有人ロケット“ニュー・シェパード”

2015年11月26日 | 宇宙へ!(民間企業の挑戦)
ネット通販の大手にアマゾンがありますよね。

このアマゾンを設立したジェフ・ベゾフさんが、
2000年に有人宇宙旅行の商業化を目指すベンチャー企業を立ち上げているんですねー

ベンチャー企業の名はブルー・オリジン社。

今回行われた飛行試験で、
新型ロケット“ニュー・シェパード”が宇宙に飛び立ち、無事に帰還したそうです。

新型有人ロケット“ニュー・シェパード”

“ニュー・シェパード”は、
地球の軌道に乗らない“サブオービタル”飛行を目的に開発されているロケットです。

普通のロケットよりも寸詰まりで、
前部と後部が丸くなった、カプセル錠剤のような姿かたちをしています。

ブルー・オリジン社は2010年前後に、
より小型の実験機の打ち上げを行っていたことが知られていますが、
ちょうど、その機体を大きくしたような形をしています。

機体を構成しているのは、先端のクルー・カプセル(宇宙船)と、
それを打ち上げるための推進モジュール(ロケット)。

クルー・カプセルが運べる宇宙飛行士は3名以上。
推進モジュールには、BE-3という液体酸素と液体水素を推進剤とする、
ロケット・エンジンが搭載されます。

ただ、推進モジュールは打ち上げ後、
地表に垂直に着陸することができるように作られていて、
BE-3は推力を変えられる(スロットリング)能力を持っているんですねー


ロケットを着陸させて再利用する

1回目の飛行試験は今年の4月29日に行われ、
“ニュー・シェパード”は最大高度94キロまで上昇し、最大速度はマッハ3を記録。
誘導や航法、制御システムは、すべて予定通り機能したそうです。

最大高度まで到達すると、推進モジュールと無人のクルー・カプセルは分離され、
クルー・カプセルはパラシュートで地上に帰還。

ただ、垂直に着陸する予定だった推進モジュールは、
油圧系統に問題が発生し、回収は失敗に終わっています。

そして11月24日に行われた2回目の試験では、
高度100.5キロに達したところで乗組員用カプセルが分離。

宇宙空間を飛行したのちに降下し、3つのパラシュートを開いて着離しています。

推進モジュールは、誘導飛行によりテキサス州西部の着陸場へ。
今回は時速約7.1キロで無事着陸に成功したんですねー
この成功でロケットの再利用に向けて開発が進み、コスト削減につながれば、
商業宇宙旅行に向け、はずみがつくことになります。

ブルー・オリジン社では、今後も宇宙船の飛行試験を続け、
その後は有人飛行を開始するそうです。


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