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宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

長期ミッションに向けたサンプルと共にドラゴン補給船が帰還

2016年09月02日 | 宇宙へ!(民間企業の挑戦)
国際宇宙ステーションへの物資輸送の契約として、
ドラゴン補給船を打ち上げているスペースX社。

国際宇宙ステーションから見たドラゴン補給船

同社が今年の7月にCSR-9ミッションとして打ち上げたカプセルが、
実験用のマウスとともに8月26日に太平洋に帰還しました。

CSR-9ミッションでは、国際宇宙ステーションへの物資輸送とともに、
将来の民間宇宙船で利用するドッキングアダプタが送り届けられています。

  国際宇宙ステーションに民間宇宙船用ドッキングポートを設置

そして行きに2,270キロの荷物を積み込んだ代わりに、
国際宇宙ステーションから持って帰ってきたものもあります。

地球へ帰還前のドラゴン補給船(ヨーロッパ上空)

それは、培養された心臓細胞などの実験サンプルを含む1,360キロの荷物。

この心臓細胞の培養は、将来の有人火星探査を見越したもので、
長期間の無重力下でのミッションは心筋の委縮を引き起こす可能性があり、
実験結果を利用して薬や心臓治療に関する研究が行われることになります。

さらに国際宇宙ステーションに滞在していたマウスも、
将来的な宇宙ミッションが人間の体にどのような影響があるのかを調べるために、
協力してくれそうです。

宇宙から帰還したカプセル

その他にも、ドラゴン補給船は人の免疫システムや、
それが宇宙空間でどのような影響を受けるのか、
そして腸内環境を整えるための食事に関する実験サンプルも持ち帰っています。

興味深いのはこのような実験資料が、
どれも宇宙飛行士の長期ミッションや惑星探査に関わるものだということ。

スペースX社やNASAが2020年頃に計画している火星への有人探査に、
役立つことになるのでしょうね。


こちらの記事もどうぞ ⇒ ドラゴン宇宙船が帰還! おみやげは有人火星探査に役立つサンプル