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モバライダー mobarider

太陽の30倍も重い若い星を発見。 でも寿命は短いようですよ…

2016年09月19日 | 宇宙 space
太陽の30倍以上もの質量を持つ若い星が見つかりました。
ただ、こうした大質量星は短命なんで研究するのが難しい天体なんですねー

なので今回の発見は、大質量星の形成に関する貴重な情報が得られる、
いい機会になるようです。


大質量星の一生は短い

今回の研究で見つかったのは、いて座の方向約1万1000光年彼方の星形成領域にある、
太陽の30倍以上の質量を持った若い星。

この星は周囲の分子雲から物質を取り込んでいて、さらに成長を続けているので、
一人前の星になるころには質量がもっと増えることになりそうです。

天の川銀河の若い大質量星を研究するのは、
質量の小さな星に比べると非常に難しことになります。

それは、大質量星の一生はとても短く、1000億個もの星の中では珍しい存在だからです。

太陽のような平均的な星は数百万年かけて形成されますが、
大質量星は10万年程度で形成されます。

大質量星は燃料をとても早く使い果たしてしまうので、寿命が全体として短いという訳です。


太陽との違い

研究チームはハワイのサブミリ波干渉計“SMA”と、
ニューメキシコ州のカール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡“VLA”を用いて、
星の生まれ故郷であるガスやチリの雲を見通して観測。

星の近くにある冷たいチリからの放射量の計測や、
ガス中の異なる分子の特徴をとらえたりしています。

こうした観測から、星の周囲に、
内側のほうが外側より短い周期で回転する(ケプラー回転する)円盤が存在することが、
確かめられました。
若い大質量星の周囲を取り囲む円盤と、
双極方向に噴き出す超高速ガス流(イメージ図)。

太陽系も、内惑星の方が外惑星よりも速く公転しています。

若い大質量星の周りにも同様の円盤が見つかったということは、
太陽のような星と大質量星が、同様のプロセスで形成されるということになりますね。


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