akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

『太陽』

2006-10-19 | 映画・芸術・エンターテインメント
ようやく観ました。アレクサンドル・ソク-ロフ監督の『太陽』
「人間昭和天皇」の姿を、日本人とアメリカ人キャスト、脚本アメリカ人、そしてロシア人監督で描いた作品は、非常に興味深く、とにかく観ておかなければと思っていましたが、好評で興行が延びているおかげで映画館に足を運ぶことができました。

全編を覆う空気感は、大東亜戦争末期の重苦しさでもありますが、ロシア映画そのもの。

「人間であるのに人間であってはならない」存在の苦悩。「神」ではなく「人間」であると彼が宣言することによる波紋。悲しみも苦しみも、淡々とした科白と、ぎこちないしぐさとこわばった表情の中に押し込められて、窮屈ながら、彼の体から滲み出てくる。
イッセー尾形の昭和天皇には脱帽でした。

上映館が全国で次々と決まっているようです。楽しく感動的な映画ではありませんが、日本人には決して描けない作品は一見の価値がありました。
コメント
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