akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

『絵の中のぼくの村』副音声ライブ

2008-11-17 | バリアフリー映画、福祉
バリアフリーによる新しい映画鑑賞の技術開発研究事業の第三回研究会。今回は、私の副音声をライブで皆さんに体験してもらいましょうということで、渋谷のシネカノン試写室で実施。先日副音声収録をした『絵の中のぼくの村』を上映し、副音声を生で聴いていただきました。視覚障害の方を含め、20人くらい。副音声台本を演出なさった東陽一監督もいらして、一緒に聴いて下さいました。

終了後は懇親会&意見交換会。
ある視覚障害者の方は「たいへん面白く、最後までわくわくして聴いた」という感想。また普段たくさんの映画を副音声で聴いている方は「普段聴いているものと違って語りかけるような口語体のナレーションなので多少のとまどいもあったが、とても楽しめるし、こうした副音声のチャンネルが普及していったらいいと思う」などいろいろと貴重な感想を下さいました。

視覚障害のない方々は皆「自然で、語りも作品の一部として違和感なく楽しめる」「むしろわかりやすい」「ライブがいいね」「今後様々な可能性があるよね」等の感想。東監督は「副音声も視覚障害者のためだけのものでなく、作品の一部として、健常者にも楽しんでもらえるように」という意図で、視覚障害者の必要とする情報を考慮しつつ自分が伝えたい形で言葉を選んでいらっしゃいます。私も同じ思いですし、「副音声も視覚障害者のためだけのものでなく、作品の一部として、健常者にも一緒に楽しんでもらえるように」というのが、この研究会の目指す副音声の形です。ある方はそれを「『バリアフリー』というよりは『ユニバーサルデザイン』と言ったほうがいいですよね」と。もちろんこの会では、聴覚障害の方々への字幕の入れ方も同時に検討しているわけですが。

東監督も「もう何度も観た過去の自分の作品だけれど、目をつぶって聴いていたら非常に新鮮で違う作品のように楽しんだ」とおっしゃって、皆さんと盛んに意見交換なさっていました。

好みはいろいろでしょうし、正解があるわけではないのですが、副音声ライブは、DVD以上に障害者と健常者が一緒に楽しめるべきだと思いますし、そういう場が今後もう少し増えたらいいなと思います。

今月はこれから『花はどこへ行った』と『ぐるりのこと』のDVD副音声収録があります。また皆さんと一緒に試行錯誤です。
コメント
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