akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

女の一代記「杉村春子」

2005-11-27 | 映画・芸術・エンターテインメント
26日夜放映の「女の一代記 杉村春子~悪女の一生」。

先週日曜文学座の舞台を観たばかりだが、杉村春子といえば文学座を背負ってきた大看板女優。戦前から舞台で活躍し、私達は彼女が亡くなった現在も、あのアクの強いキャラクターで脇役を務めた何本もの名作映画によって彼女を観る機会に恵まれる。小津安二郎、木下恵介、成瀬巳喜男、黒澤明等、どの監督の作品においても彼女の存在感は抜群で、これは杉村春子でなければ、と思わされる。あの迫力、いやらしいまでの腹の座り方。
自分のおなかの中に宿った命より、死の床にある夫より、舞台を、仕事を選んだ彼女の生き方。それが素晴らしいと言えるかどうかは別だが、命がけで芝居を愛し、文学座を守り続けてきた彼女の覚悟は比類のないものであるし、そうでなければあの憎々し気な、腹の座った演技はなかったのかもしれない。

大きな物を手に入れ、守ろうとする時には、その影で大きな犠牲を払い、喪失感を味わう事も多い。愛する人に次々に先立たれ見送りながらも90歳近くまで舞台に生きた情熱的な女性、杉村春子。
彼女の生の舞台を、一度拝見したかった。

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