akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

一遍の詩

2006-02-27 | 映画・芸術・エンターテインメント
先日亡くなった茨木のり子さんの詩を、23日のすろ~しねまナイトで2つほど朗読させていただいたのですが、そのうちの1つをここに記します。
私はこの詩を読んだとき、とてもはっとさせられ、静粛な気持ちになりました。
自分に向けて投げられる厳しい言葉のひとつひとつが、読むものにも、自分に向けて問いつめさせる力を持っています。


ばさばさに乾いていく心を
ひとのせいにするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

コメント (1)
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