ソメイヨシノだけが桜ではないが・・・。 自宅横の桜の名所(?)
トマトジュースが不味い。 ・・・・・ あるスーパーのPB商品のトマトジュースを買った。トマトジュースにそんなに味の差があるとは思わず、いつものNB商品より安かったので、買い物かごに入れた。自宅に戻り、婆が飲んだ。開口一番「マズイ!」 「そんなに違うか?」と言いながら飲んでみたところ、味音痴の爺ではあるが「確かに美味しいとは言い難かった。」
翌日、いつものNBトマトジュースを買ってきた。飲み比べてみると、はっきりと違いが分かる。
二つのトマトジュースを比べてみると、色が違う。不味いトマトジュースはどことなく色が薄く、水で薄まったような感じだ。
文字にしてしまうと同じ品質表示なのだが、味に差がある。完熟トマトにもどこかに差があるのだろう。産地や収穫時期、生産工程での技術の差などが考えられる。
羽毛ふとんも同様なことがある。
「ポーランド産WGD95%」と表示されていても、価格に数倍の開きがある。29,800円程度からある。中には「ポーランド産ダウン90%・19,800円(以下)」もある。片や20万円前後、場合によってはもっと高額もある。殆どの消費者の皆さんは価格の差がどこからくるのか分からない。トマトジュースなら翌日買い直せば良いが「ふとん」はそう簡単には行かない。
価格の形成には大きく3つの要素からなる。 ①羽毛の品質②側生地の良し悪し③仕立て方法、の3つである。
①羽毛の品質・・・・・先ほどの羽毛ふとん、ダウン率が95と90とで異なることもあるが、それ以上にまず、WGD(グース)かWDD(ダッグ)かの違いがある。グースの場合はどのメーカーもWGD(ホワイトグースダウン)と表示するが、ダッグの場合はWD(ホワイトダウン)としか言わないことが多い。同じポーランドでもWGDとWDでは大きく違ってくる。鳥の種類の違いもあるが、WGDどうしであっても違いがある。羽毛を採取した時期(季節)によって品質に大きな差がある。夏毛・冬毛とでも言おうか・・・。イヌなどペットを飼っている方ならお分りだろうが、水鳥(ダッグ・グース)にも夏毛冬毛があるそうだ。ポーランド産と言ってもスカスカの夏毛なら安く入荷できる。最後に羽毛原料の洗いである。ニ▲■の羽毛ふとんを洗ったら、(オーバーな表現だが)真黒な水が出てきたとクリーニング屋さんに聞いたことがある。さらに洗いが悪いと臭いの問題も発生する。
②生地の品質・・・・使われている生地を組成する糸には40番手から300番手までいろんな種類がある。そして、綿100%かシルク混かエステル(化繊)混か、果てはエステル100%もある。糸質、さらに織り方にも色々ある。かっては一般の羽毛ふとんの価格の大部分を羽毛自体が占めていた(半分以上70~80%まで)。ところが最近は生地の価格と羽毛の価格との差が少なく(場合によっては同等・逆転も)なってきた。
③縫製も多様化してきた。ツインダウン二層立体普通立体 などがある。さらに進化した縫製方法(ボディフィットキルトなど)もある。同じキルト方法でも、縫製メーカー(国内・海外など)によってかなりの縫製技術差がある。
言いだすとキリがない。
ふとんは中身が見えない。だから、「ダマシ」が横行する。福袋効果も騙され易い状況を作る。
心理学用語「福袋効果」・・・福袋は内容非公開である。袋の中の商品は売価以上の価格商品が入っているという前提で販売される。お客様は価格以上の豪華な内容を期待する。 ふとんは中身が見えない。1万円と言われれば1万円の価値のものが入っている。10万円・50万円・100万円と言われればそれぞれの価値が入っていると、人はかってに思う。どう見ても、数万円の価値しかない羽毛ふとんも、50万円と言われると「ふとん屋で50万円の羽毛なんて見たこと無いから、きっとそこらに売ってないスゴイ羽毛が入っている」と、特にお年寄りは勝手に思うようだ。健康の話を散々聞かされた後は、この羽毛布団は健康に良いとは言わなくても、お客様が勝手に健康に良いと催眠術にかかったように勝手に思ってしまう。TV通販などは「勘違いさせる」ように実に上手く話すものだ。感心する。プロだから当たり前かもしれないが。
最後は「信用」ということになる。「信用」は口にするには簡単な言葉だ。「信用するしない。」は個人の問題に帰するところもある。不味いトマトジュースしか知らない人はトマトジュースの味をそれだと思って疑わない。
毎回ふとんの中身をお客様にお見せする訳にはいかない。口で、言葉で納得して戴けるように説明しなければならばい。メーカーの説明だけでは、間違いではないが不親切なことにもなりかねない。
「品質表示」は同じであっても、文字・言葉で表現しにくい「違い」をどう説明し理解して戴けるか、その積み重ねが信用なのかもしれない。実際商品を触ってみなければ、最後は五感でもって納得するのが良いのだろう。そして、正しい使い方を知って戴くのも大事なことである。快眠は良い寝具を手にしただけで解決できるものではない。