井上もやしの日常

ほぼ「つぶやきの墓場」となっております。ブログやSNSが多様化して,ついていけないのでございます。

映画「恋するベーカリー」

2010-02-23 23:46:54 | Weblog
 今年2本目の映画鑑賞。夕方の時間帯に始まる映画という観点で映画を選んでいるので、予備知識なしでこの映画に決定。

「恋するベーカリー」という邦題であったため、「幸せのレシピ」みたいに料理と恋模様が沢山描かれているのかなと思いましたが、実際は「中年の性」がしっかりとぎとぎとと描かれていました。原題は"It's Complicated"。「うう、面倒臭い!」っていったところでしょうか。10年前に離婚した元夫のジェイク(アレック・ボールドウィン)に言い寄られて心が揺れ動くジェーン(メリル・ストリープ)が主人公です。息子の大学卒業式に再会し、再び関係をもってしまいますが、ジェーンは体のあちこちがたるんできているし、ジェイクはメタボ体型になっているし、中年の現実を突きつけてくれます。前立腺肥大とか更年期とか出て来る話題が余りにも、他の映画ではほとんど描かれない中年の現実です。おまけに家の増築に関わってやってきた建築家のアダム(スティーブ・マーティン。新クルーゾー警部の人です! この映画ではドタバタはなしです。)がジェーンに好意を寄せてくるし…。

 下ネタ関係が満載だし、子どもたちが大学生や社会人になっている親世代のラブコメディなので、若いカップルで見ても映画の本当のよさは分からないでしょうね。ラストは童話「青い鳥」のように「幸福はすぐ近いところにいたのね。」で終わるのかなと思わせて、結局、揺れつづける女心進行中で締めていました。


 ☆ 総合得点  81点 

四角いジャングル

2010-02-14 16:15:37 | Weblog
 2月13日(土)の朝に職場で清掃作業があり、1時間半程度参加しました。帰り道、コーヒーでも飲みたいなと思い、ミニ・ストップに寄りました。

 この頃はDVDをYahoo!オークションやアウトレット店で買うことがほとんどで、コンビニのDVD売り場は素通りすることが多いのですが、ジャケットのアントニオ猪木が手招きしているではありませんか。売られていたのは「四角いジャングル3部作(各999円)」。「四角いジャングル」は今から30年ほど前に「少年マガジン」に連載されていた劇画のタイトルで、それを下敷きに新日本プロレス異種格闘技路線や極真空手、新格闘術、タイのムエタイ界の動きを交えて実録ものとして作られ、松竹系で公開された格闘技映画です。

 この映画は未見でした。それに、当時、福島県はテレビの民間放送局が2局しかなく、片方の福島中央テレビがNETと日本テレビの番組をごちゃ混ぜにして放送していました。そのため、新日本プロレス中継の「ワールド・プロレスリング」はNET放送のものを1週遅れで放送し、NETが定時放送と別枠で中継した特別試合は大部分が福島県では放送されていませんでした(モハメド・アリと猪木戦は中継しましたけどね)。おまけに、東京12チャンネルの格闘技番組は流れていなかったので、このDVDで劇画では主要人物だったベニー・ユキーデや藤原敏男の動く姿をじっくりと見てしまいました。

 初めのうちは画質の悪さが気になりました。おそらくテレビ放映用のVTRテープを35mm映画にしたのが映画「四角いジャングル」で、これをもとに20年ほど前にVHS化したものを販売し、その画質のままDVD化したのがこの作品でしょう。でも、見ているうちに気にならなくなり、多くの試合をよくもまあコンパクトのまとめたものだと称賛を送りたくなりました。

DVD「デリカテッセン」 ~個性的過ぎる字幕~

2010-02-01 22:11:48 | Weblog
 映画「Dr.パルナサスの鏡」を監督したテリー・ギリアムについて調べていたら、「フランスのテリー・ギリアム『ジャン・ピエール・ジュネ』」という言葉に当たりました。興味が湧き、出世作の「デリカテッセン」をアマゾンで購入しました。ジャン・ピエール・ジュネは映画「アメリ」(←未見です。)の監督でもあります。

 DVDのジャケットによれば、「荒廃した近未来。パリ郊外にある一軒の精肉店にやってきた元芸人ルイゾンは、店の主人に、アパートも兼ねるこの建物の雑用係として雇われる。だが、この主人、実は彼のような流れ者を殺して肉にしてしまう恐ろしい男だった。(以下略)」と紹介されています。ティム・バートン監督「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」は人食いをモチーフに完全なホラー&グロテスクな作品としましたが、こちらは同じ人食いを扱っていてもコメディ版といった感じです。風変わりなアパートの住人が多数登場したり、2つある蛇口の右側のコックをひねると左側の蛇口から水が出たりと、おもちゃ箱の中のような世界がアンバー調の画面で繰り広げられます。作品としてはまずまずの出来だと思います。

 ただし、字幕にはびっくりしました。「此処は何処でもない」「其を此処へ!」「之は広告の分だ」など、古文・漢文の授業?!と思ってしまうような字幕が登場します。フランス語から日本語への翻訳が上手か下手かは分かりませんが、とにかく日本語の字幕表記がいまだかつてないくらい変です。「此処は何処でもない」なんて普段使わない漢字表記にするよりも「ここはどこでもない」とひらがな表記にしても文字数も変わらないのに何でこんなおバカなことをするのだろうと思いました。それに「洟(はな)」「鼠(ねずみ)」のような常用漢字表にもないような難しい漢字使っているし…。おまけに言うと、「一貫の終わり(正しくは『一巻の終わり』)」なんていう間違った漢字も使っているし、日本語ネイティブではない人が字幕を制作したのかもしれません。本編ではないのですが、監督のオーディオコメンタリーでは「資金繰りの所為で(読み:せいで)」何てとんでもないのが出てきます。字幕がやたら自己主張している印象です。字幕が非常に気になります。映画自体はそれなりに面白くても、字幕で大幅減点です。ずうずうしくエンドロールの直前に「字幕:TELETOTA 翻訳:須賀田昭子」と出てきます。いったい何者なのでしょう。

 ☆ 総合得点  70点(字幕が改善されれば、82点)。