井上もやしの日常

ほぼ「つぶやきの墓場」となっております。ブログやSNSが多様化して,ついていけないのでございます。

本当に学者なの?

2011-10-30 23:39:23 | Weblog
 前にも書いた武田邦彦先生のことです。ちょっと看過できないレベルまで来ているので、ここに書きます。先生のブログによると、「岩手県一関市の高濃度放射線下にある中学校の生徒が死亡した」そうです。これだけでは、具体的にどんな死因で亡くなったのかが分からないので、「一関 中学校 放射線量 死亡」をキーワードに検索してみました。どうやら、震源地は一関市在住の塾を開いている方の10月27日のブログ記事のようです(「大検セミナー わくわく日記」)。この塾の先生のブログでは、確かに「市内の某中学校の3年生が、先週校舎内で倒れ、意識が無いまま病院に搬送され亡くなった。クモ膜下出血による死亡だった。」「その中学校は中庭が10マイクロシーベルトを超える高濃度汚染ポイントがあった。亡くなった生徒は運動部に所属しており、活動場所もその中庭での運動が多くあったという。」と書かれています。このブログをよく読んでいただきたいのは、この点です。並べては書いてありますが、高い放射線量のために亡くなったとは書いてありません。

 でも、武田先生の文章では、まず、サブタイトルが「一関の高濃度放射線下の中学生の死亡」とあり、文中でも「(ママ→)でもことが被曝と関係しているので、怖がって報道しない可能性がある。」となっています。これは読者を完全にミスリードする書き方です。それに、塾の先生のブログには「クモ膜下出血」とあるのに、武田先生は敢えて死因を出さないのも高濃度放射能のために…と思わせる書き方です。「クモ膜下出血」と病名あれば、大半の人は若年性の発症も不思議でないと思うし、低放射線量(←10μSv/hでは高濃度とまでは呼べないと、私は思います。)と「クモ膜下出血」は結び付かないはずです。「もし本当に中学生の死亡という事実があったら、何らかの手段で公表し、その原因についても被曝とは無関係であることを示す方が良いだろう。」という文が記事の毒抜きとはなっていますが、全体的に高濃度放射線のために中学生が死亡したと読ませてしまいます。因果関係をきちんと証明すべき立場の学者なのに…。善良な市民に不安をばらまく狡猾な書きぶりです。仕舞いには、globeのkeikoのくも膜下出血も原発爆発が原因だと言い出すかも知れません。

県民健康管理調査 ~記憶の限界~

2011-10-30 23:04:58 | Weblog
 当初は8月中に福島県民全員に送付されるはずだった県民健康管理調査基本調査問診票でしたが、実際に福島市の自宅へ届いたのは10月1日でした。お隣・伊達市は10月の半ばに届いたそうです。

 県民健康管理調査とは、3月の東京電力福島第一原子力発電所の爆発でどの程度福島県民に外部被曝や内部被曝があったのかを問診によりその被曝線量を推定するものです。

 小さくて見づらいでしょうが、画像にあるのが「行動記録」と呼ばれるこの問診の核心部分です。3月11日から25日までの間、どこにいたかを記入します。大まかに屋内・移動・屋外に分けられていて、記入者が屋外にいた時間から外部被曝を評価します。でも、これがなかなかに骨の折れる作業で、忙しさにかまけ、延ばしに延ばし、今日やっと書き終えました。7ヶ月も前の自分の生活を、1日1日思い出すのは非常に難しいことだと思います。私の場合、この時期は通常の業務が全くできず、善後策の打ち合わせをしたり、施設点検や外回りをしたりしていました。そのため、普通以上に業務内容をメモしていたので、それを見ながら書きました。この問診票の締め切りは到着後約2週間後となっています。しかし、地元の新聞を読むと極めて回収率が低いようです。

 自宅に住み続けている私でさえ、問診票を書くのが苦痛なのですから、避難所を転々としている人は大変難しい作業なのでしょう。この問診票には、3月26日以降の自宅・勤務先以外に「滞在した場所とその時間は?」とか、3月11日から3月末までに「自家栽培の野菜・果物を食べたか?」「飼育している家畜の乳を飲んだか?」とかの質問もありました。