井上もやしの日常

ほぼ「つぶやきの墓場」となっております。ブログやSNSが多様化して,ついていけないのでございます。

電波利用料って違法無線局取り締まりをするんじゃ…

2008-05-20 22:19:45 | Weblog
 今日、帰宅したらベッドの上の朝日新聞1面が飛び込んできました(朝は時間的余裕がないので、いつも帰ってから読んでいますぅ!)。民主党議員の調査によると、電波利用料が職員の娯楽費になっていたとの内容。内訳は、映画代や美術鑑賞費、軟式野球ボール代、ボウリング代、生け花代、無線操縦カー代(!)、明太子作成費(?)などなど。道路特定財源がカラオケやマッサージ・チェアなどに化けていたのと同じことを総務省もやっていたようです。

 今から15年前、電波利用料は「違法無線局撲滅のため」に始まったはずです。当時は映画「私をスキーに連れてって」のほとぼりの冷めない頃で、スキー場や高速道路などで無資格者らしい人たちが自己流に交信をしていて、正当なアマチュア局からひんしゅくを買っていました。それに異状に高出力のトラック車載違法局や筑波レピータあたりで卑猥な言葉を連呼していた人々がいたので、ある程度、違法局の調査や取り締まりなら年間500円も仕方がないかと思ったものです。

 しかし、ここ10年はパソコンや携帯電話の普及が著しく、アマチュア無線界にはニューカマーが現れないし、違法局らしきものもほとんど見られなくなりました。そうです、違法無線局撲滅という第一義がなくなったのではと思っていたのです。それが、こんな使われ方をされていたなんて…。携帯電話も電話代から年間1台当たり420円支出されているので、我が家からも結構な金額が娯楽費へ流れていたはずです。

DVD「アララトの聖母」

2008-05-19 19:58:08 | Weblog
「フェリシア」鑑賞以来、気になっていたアトム・エゴヤン監督の「アララトの聖母」をYahoo!オークションで1,300円で手に入れました。しかも、未開封新品です。

「フェリシア」でエゴヤン監督の時空を自由に泳ぐようなストーリー展開に驚きました。ミシェル・ゴンドリー監督とも違った自由奔放なワープ感がたまりません。「アララトの聖母」も非常にエゴヤン監督らしい個性的な組み立てがなされていました。

 ストーリーを一口で紹介するのは無理なので、GAGAのオフィシャル・サイトの「ストーリー」から引用します。(ストーリーが複雑すぎて、下の引用もうまく伝えているとは言えません。)

 ***** 引用ここから *****

 カナダに住む18歳の少年ラフィと美術史家の母アニは、アルメニアの画家アーシル・ゴーキーの絵画「芸術家と母親」をモチーフにした、聖なる山アララトの麓で1915年に起きたアルメニア人大虐殺を描いた映画に参加することになった。
ゴーキーは、虐殺で母を亡くしたあと、アメリカに移住し、一生その苦しみから逃れられず若くして亡くなっている。

 その彼の少年時代の逃避行の記録をたどった大作だ。母なる国が永遠に失われたことを物語るように、キャンバスから削り取られた母の手。ラフィは、アルメニアの自由を求めて射殺された父の死の疑問を持ち、真実を求めて、アララトに旅立つ。そして自分のルーツを知った彼が母のために持ち帰ったものとはいったい?また絵に隠された真実とは?

***** 引用ここまで *****

 アルメニア人大虐殺の映画化を軸に話が進みますが、多くの人物が並行して登場してそれぞれの立場で物語を展開をしていくので、前半部は登場人物の関係を考えるのにちょっと苦労します。後半部は徐々に各人物の性格や関係性が分かってきますのでいろいろなことが見えてきます。また、劇中劇でもあるので、あれ?! 今のって映画のセット? それとも1915年のアルメニア? と不思議な感覚に浸れます。この映画の最も大きなテーマは、アルメニア人大虐殺の全世界への周知でしょう。戦中・戦後のトルコの微妙な立場からあまり追及されてこなかったこの事件を21世紀初頭に記録として残したかったようです。


 ☆ 総合得点  90点

地上5センチの恋心

2008-05-19 16:41:09 | Weblog
 先週土曜日が勤務日になったので、今日はその代休日。映画を見に行ってきました。「地上5センチの恋心」です。

 デパートの化粧品売り場で働くオデット(カトリーヌ・フロ)は、10年前に夫に死なれ、子供は生意気盛り。裕福でもないが、小さな幸せに満足げ。心を満たしてくれるのはベッドで眠る前に読む作家バルタザール(アルベール・デュポンテル)のロマンス小説。オデットが彼に出した飾り気のないファンレターが、厳しい批評にさらされている彼の元に届き…というラブコメディです。

 原題は「オデット・トールモンド」で、これは主人公の名前です。「地上5センチ」というのは恋をしているときの浮遊感から邦題を決めたのでしょう。でも、映画ではもっと高く、屋根以上の高さまで飛んでいます、シャガールの絵みたいに。普通のおばさんであるオデットがバルタザールに憧れ、そして、彼と出会ってからは彼を励ます立場になり、最後はよきパートナーとなるとのおとぎ話ですが、オデットが輝きを増していく姿に圧倒されます。主役のフロが実にうまく女性の輝き、可愛らしさを表現していました。ゲラゲラ笑う場面は少ないですが、心が温かくなる映画でした。

 ☆ 総合得点 83点 

バンガー・シスターズ

2008-05-11 01:07:15 | Weblog
 Yahoo!オークションで「ポチッとな!」してしまったDVDが到着。映画「バンガー・シスターズ」で我が心のコメディエンヌ:ゴールディ・ホーンと、スーザン・サランドンが主演である。

 ロックスターのグルーピーであったスゼット(ホーン)が仕事を失い、20年ぶりに仲間だったラヴィニア(サランドン)を頼って再会するのだが、ラヴィニアは政界を目指す弁護士の夫人となっていて…、ドタバタのコメディが繰り広げられる。

 最も驚いたのが、主役2人が胸元の開いた服を着たりピチピチパンツをはいたりしているシーン。2人とも1945年生まれだから、映画公開時には実年齢で57歳か58歳だったはずである。それなのに非常に若々しく見え、映画での設定である40代前半に無理なく自然に見える。2人の若さに乾杯である!

フェリシア

2008-05-05 14:51:18 | Weblog
 先週、Yahoo!オークションで映画のDVDを3枚購入。未開封で「プロデューサーズ」と「フェリシア」、1回再生の美品中古「アメリカン・ビューティ」の3作品である。

 690円とか980円とかの一昔前では考えられない価格で映画のDVDが販売されているが、それはあくまでも「期間限定」であって、その期間を逃したら2度と販売されないか、3千円から4千円程度の通常価格に戻ってしまうのが普通である。そんな現状であるので、Yahoo!オークションのような趣味を通じた需要と供給で結ばれている場は貴重である。先の3作品は計約4千円で購入できた。

「プロデューサーズ」はメル・ブルックス監督の旧作の方で、いかがわしさが漂ってくるドタバタのコメディで理屈抜きに楽しむことができた。失敗作としてたった1回のミュージカル公演で終われれば大儲けできることを発見して、史上最低の脚本・演出・キャストを揃えるのだが、何故か観客に大受けしてしまい…。次の「アメリカン・ビューティ」はアメリカの家族が抱える一人一人の闇の部分に焦点を当てた非常にシリアスな作品であった。表面上は誇張があったりして笑える作品であるが、それぞれの生きる力はどこから湧き出され、どこへ向かうのか考えさせられた。「美しさ」「優しさ」「才能」などは上っ面なことで、結局、根源はリビドーだよ! 家族とか同級生とか同僚とかひとくくりの言葉でまとめようとしても、人間って1人1人違っていて、そりゃ無理だよってお話かな。内容には関係ないけれども、この2作品で共通しているのはなんと「ナチ」(笑)。ご覧になってください。

 最後に今日見たのが「フェリシア(公開時タイトルは「フェリシアの旅」)」。(「サイコ」+「コレクター」)÷2か。突然消えた恋人ジョニーを追ってアイルランドからイギリスのバーミンガムに渡ってきた少女フェリシアに声を掛けてきた親切な中年男性ヒルディッチ。実はヒルディッチは昔の母の面影から離れられず、家出したきたような少女たちを車で誘い込んで殺人を犯していたのである。これはストーリーの初めの頃からずっと語られているので、「サイコ」のラストシーンのようなどんでん返し的な衝撃はない。純粋なフェリシアと何か企んでいる中年の男・ヒルディッチとの映像的な対比が非常に面白いと感じた。