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10月26日(月)に三谷幸喜監督の最新作「ギャラクシー街道」を鑑賞しました。フジテレビ制作の映画だけに今月,フジの多くの番組で宣伝を行っています。「めざましテレビ」内の「紙兎ロペ」にも監督と綾瀬はるかと香取慎吾が登場していました(笑)。
公開日は24日で,その翌々日午後2時半から上映の回を見ました。観客は20人ほど。あらすじはYahoo!映画より引用します。「西暦2265年、木星のそばに位置する人工居住区『うず潮』は、『ギャラクシー街道』と呼ばれるスペース幹線道路で地球と結ばれている。以前はにぎわった街道も開通して150年がたち、老巧化が問題視されてきた。そんな街道の脇で営業している飲食店には、さまざまな星からそれぞれに事情を抱えた異星人たちが集まっており……。」
要するに,宇宙空間にあるハンバーガー・ショップにいろいろな異星人が入れ替わり立ち替わりやってくる話です。今から考えれば,テレビ版「宇宙大作戦」の衣装やセットもかなり安っぽかったのですが,この映画のは更に上をいっています(苦笑)。昔のワープロ専用機や昔の携帯電話は場違いな笑いをわざと狙ったのでしょうが,23世紀にそんなものを使っているはずがなく,完全にはずしています。そして,正直言って,話の展開にほとんど起伏がなく,非情ーーーーに間延びしているなと思いました。観客が笑ったのは,宇宙警備隊のマンモ隊員(秋元才加)の新しい彼が誰かが分かったシーン,メンデス星人(遠藤憲一)が産んだ子どもたちが親そっくりの顔だったシーン,ノエ(綾瀬はるか)が舌の長い宇宙人に挨拶として顔をペロッとなめられてお返しにノエも舌を出そうとしたシーンだけです。大爆笑の連続を期待していただけに,つまらなさと怒りで頭がいっぱいになってきました。ハシモト(段田安則)の周りを飛び交うアニメ小鳥,宇宙コールガールのイルマ(田村梨果。誰かと思ったら,ミラクルひかるなのね!)のフィリピン・パブor韓国飲み屋の女の子的な言葉遣いにはイライラしました(怒)。
宇宙人が次々に登場して自己完結な小ネタを披露しますが,宇宙人同士の絡み合いがないのが失敗の原因です。「THE 有頂天ホテル」では変人同士の絡み合いによる化学反応みたいなものがありましたが,本作にはそれがほとんどありません。三谷幸喜は古い映画や60年代のアメリカで制作されたテレビ番組を愛している人だから,「グランド・ホテル」的な沢山の人物がそれぞれの事情を抱えていて,それが複雑に絡み合ってくることを描く映画が好きなようです。しかし,この映画では,登場人物がブラウン運動みたいに勝手にドタバタと動き回っているだけで,上手く表現できませんが,貫いているものというか,まとめているものというか,求心力が見あたりません。映画「ラブ・アクチュアリー」におけるラストのクリスマス・コンサートのようなものです。どんなにドタバタしても,横道に逸れてもコンサートに向けて人物たちが収斂してくる群像劇は見事でした。こういうのがないのです…。
ネット界でもこの映画の評判が芳しくないようで,監督自身も気にしてか,今朝の朝日新聞を読むと,連載しているエッセイで「目指した『チマチマ笑い』」と言い訳とも取れる内容のものを書いていました。その中で,試写会でも賛否が分かれたことに触れています。
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☆ 総合得点 55点