普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

中学校教師への手紙(10)[私が見てきた教育荒廃の歴史

2006-07-23 12:05:32 | 教育問題

<<子供の教育環境の劣化>>

小、中学校の問題ではいじめ→授業中の徘徊→学級崩壊→生徒による暴力や殺人など大きな問題が言われています。

この大きな問題について考える前に、戦前から昭和40~50年に渡って教育環境の変化について感じたことを書いて見たいと思います。

1.社会環境の変化

(1)世の中全体が優しく、子供に対して甘くなってきた。
学校で言えば生徒たちが明らかに間違ったことをしても、何かにつけて弁護する人が増えてきた。

戦前:子供が悪いことをすると、社会、学校、家庭で叱ってくれる人が多くいたので、善悪の区別や、行動の限度を自然に学ぶことができた。

(2)物事を公平に判断する能力が落ちて来た。
そのため物事(例えば学力低下やいじめの問題)の解決を遅らせることとなった。
マスコミの強者(教育関係で言えば文部省、教育委員会、校長)の批判はするが、弱者(とマスコミが思っている例えば教師、生徒、父兄)と一部特定団体(学校関係で言えば日教組)の責任、義務には殆ど触れない偏ったた報道姿勢は昔と余り変わらないと思うがテレビの普及とそれに登場するコメンテーター、解説者などで、影響力が格段に大きくなった。


戦前:軍国主義や忠君愛国的な教育や報道。

(3)人間としての本当の意味のプライド持つ人が減ってきた。
マスコミの権力者の追求や自虐的な報道に偏った姿勢。

戦前:首都圏の駅でごみ箱から新聞を漁るサラリーマン、援助交際をする子供や大人など殆どいなかった。

(4)他人に迷惑をかけない、物を大切にする、思いやりなどの日本古来の良い伝統から失われ始めた。
今は自分からその行動を規制する倫理感が乏しくなっている。

2.家庭環境の変化

(1)核家族化が進み若い両親の孤立化が増大した。

戦前:昔からの伝統や倫理観などが自然に伝えられた。

(2)女性の職場進出で家庭で子供を世話する時間が減ってきた。

戦前:学校から帰るといつも炊事選択で忙しくしている母親がいてくれた。

(3)躾けなど本来家庭で行うべき仕事をおろそかにする家庭が増えてきた。

戦前:家庭により程度の差をあるが、地域社会の批判などあり、今ほど放任するような家庭はなかった。

(4)少子化

戦前:兄弟姉妹や近所の子供の間で自然と社会性が養われていた。

(5)テレビ、インターネット等で教育上有害な情報に接する機会が多くなった。

戦前:子供にとってはラジオ、新聞と雑誌や単行本位しか情報源はなかった。有害な情報源は全くなかった。

3.父兄や生徒の意識の変化

(1)個性の尊重と我が儘の区別がつかぬ、自由の限度が判らぬ父兄や生徒が増えてきた。

戦前:日本古来の伝統的且つ仏教からくる倫理観があった。個性とか自由については殆ど無視された。

(2)自分の権利を主張しても自分の責任や義務を忘れている父兄や生徒が増えてきた。
父兄については戦争直後からの権利重視、義務責任の軽視または無視した教育の成果が出始めた。

戦前:国民の義務や責任について徹底した教育が行われていた。他人に迷惑をかけないという古来の教えが伝われてきた。

4.生徒の環境と意識の変化

(1)何でも手に入り、自分の思う通りになるのを当然と思い、そうでないときに我慢出来ぬ生徒が増えてきた。

戦前、戦後:物がないのが当たり前だったので、我慢することに慣れていた。

(2)いじめが増えた。特に集団によるいじめが増えた。
やり方が陰湿になってきた。

戦前:殆どなかった。あったとしてもいたずらに類するもので、からっとしていた。

(3)自分の面子を傷つけられたことで直ぐ切れる生徒が増えてきた。

昔は殆どそのような生徒はいなかった。教師や父兄などに暴力を振るう生徒はなかった。

(4)子供を巡る社会が同級生、同年代の間等、極端に小さくなった。

戦前:今で言えば高校生から幼稚園まで含む子供社会があり、地域の人との交流があった。

5.学校の変化

(1)学校や教師に対する信頼の程度が大幅に落ちてきた。

昔は家庭では学校や教師にほぼ絶対的な信頼を置いていた。学校や教師のレベルが今と殆ど変わらないか今のほうが上と思う。

(2)教師が労働者意識を持つようになった。

昔は先生は聖職者と呼ばれていた。

(3)教育関係者の一番のお得意さんであるべき生徒から精力と関心が離れることが多くなった。

1)文部省と教職員組合の関係のこじれ
2)マスコミや所謂人権弁護士とうの批判の増大により学校当局者が萎縮し、防衛に回る傾向が強くなった。

戦前:熱心な先生やそうでない人もいたが、少なくても、教師は生徒の方を向いておれば良かった。

(4)悪平等主義等特定の思想に基づく教育手法が出てきた。

戦前:学校も教師も同じ思想のもとで行われていた。もし違った思想を持つ人があれば警察、軍隊からの介入があった。

(5)先生の荷重が増えてきた。
これについては別の日に改めて報告します。

これらを総括的に見ますと、戦前の環境も全体主義(今では軍国主義と言われていますが、当時はこの使い方のほうが多かったようです)的の教育環境で良いとは言われませんが、子供に関する教育環境に限って言えば非常に悪化したように思います。

参照毎週日曜日,July 11,13,20 投稿、