昨夜のNHKスペシャルで「ニッポンの生きる道」と言う番組がありました。
激しい円高、雪崩をうつ企業の日本脱出、雇用の崩壊…。得意だったはずの「ものづくり」でも韓国や中国に技術で追いつかれ、原発や高速鉄道の受注競争などで競り負ける場面が続いている。しかし本当にニッポンは力をなくしたのか?まだまだ強みはあるのではないか?自信を持ってやるべきことをやり、変えるべきを変えて2011年を力強く歩み出す、年頭のメッセージを送る! (番組案内より)
と言う番組です。
ゲストはノーベル賞を受賞した根岸英一, コマツ会長の坂根正弘, 一橋大学教授の米倉誠一郎, 「デフレの正体」の著者で日本政策投資銀行参事役の藻谷浩介,愛知淑徳大学教授の真田幸光の各氏です。 (何時ものNHKのお気に入りの経済学者が一人も入って居ませんでしたので、割り引いて見る必要は要りませんでした。)
以下は出席者の発言(青字)と私の感想(黒字)です。
国民へ
・まず現実を見つめるべきだ
・傍観者ではだめ、自分の事として見つめろ
・危機感を持ち夢を追え
国民の意識を変えさせるには政治家、特に首相が国民に直接訴えるしかないと思います。
消費者へ
・消費者も生産者だ、いたずらに安物買いをすれば自分たちにその負担は自分達に戻ってくる
この責任の一つは大手流通業者の安売り競争のあまり、生産者の努力や技術に見合った対価の支払いをしなかったことも大きいと思います。
彼らは自分達の利己的な意欲で国民全体が不利益を被っていることを忘れないで下さい。
若い人達へ
・若者は保守的だ
・日本は大企業だけの国ではない
・競争が学生や企業の力を産む
・日本では留学生が減っている、日本の学生は外国人学生と競争して力を付けるべきだ
その理由の一つに留学をすると国内の就職に不利になるという考えがある
この最大な原因は戦後以来の日教組を中心とした右へ倣え主義の一律の教育と、優雅な生活に慣れてハングリー精神が不足していることにあると思います。
政府と企業へ
・全国一律と言うより個々の地域に相応しい少子化対策が必要
・正社員の多い程出生率が高い
・若者の給料を上げろ、その購買意欲を高め、少子化対策になる
・企業は地方にもっと出るべき
・茂原さん:景気と実際の売り上げは必ずしも比例しない、売り上げの減少は人口構造の変化による方が大きい、人口の減少、消費世代の高齢化の影響が大きく、高齢者激増により今後益々深刻化して行く
・青森の林檎の大紅栄はそのブランド力のお蔭で中国では一個2,500円で売れている。
・「安くていいモノをこつこつ作ってさえいれば報われる」というこれまでの発想を根本的に変え、これからは薄利多売でなくて高利少売にするべき(多分島野の)自転車などがそうだ。
国は少子高齢化に伴う経済の影響を考えて、もっと積極的に対策を考えるべき。
まず少子化、高齢化をどの程度に収斂させるかなど必ず来る未来について予測し公表することだと思います。
そして対象の若い人達、高齢者のこれに対する考え方がどうあるべきかについて、首相は直接訴え賭けるべきだと思うのですが。
大企業と中小企業の在り方
・国は中小企業が大企業を支えていることを認めるべき
・中小企業は小回りが効くことと実行のスピードを活かすべき、リスクを取り直接売りにだすべき(無限にあるシリコンでボールベアリングの球を外国に売り出した企業)
その為には小さい総合商社の出現が望ましい。
中小企業は自信を取り戻せ。
ここが大企業に欠けているところだ
・大企業へ
物だけでなくシステムとして総合力で売れ、新幹線、電力制御システムがそうだ。
まずビジョンを持つ→理想案→その解決策→それに適した機器を設置のルートを辿るべき
・電子機器に就いての韓国企業(特にサムスン電子)と日本企業の比較
韓国は製品では世界の世界のトップのシェアを持つ
日本はその部品のシェアでは世界トップ
サムスン電子社員は外国に10年単位で出張で土地のニーズを掴み製品の反映させる
日本社員は2年に帰国するなど内向きだ
坂根さん:コマツでは世界的その製品をネット化しており問題に直ぐ対応できるようにしている、例えば運用の減少かバブルの予測も出来る
・坂根さん:大企業は下請けを育てろ
大企業、中小企業は一体化すべき、
・坂根さん:技術はボトムアップだが、経営はトップダウンだ。
私は某大企業に在職中に、海外出張にでるとき重役に挨拶する内規を怠ったり、外国の工場のトラブルでその開発の責任者だった重役がたまたま来ていた、副社長の出迎えをで怠ったと言う理由で冷や飯を食わされるなど、呆れた例を見てきました。
それらの企業のトップや重役も経営に就いて碌に勉強もせず、出身校がエリート校出身で特に不可もないだけの理由で昇進したとしか思えない人達です。
経営者の育成は勿論企業の責任ですが、国も優秀な経営者を育成するために、経営学専門のコースを大学に設置するなど努力が必要と思うのですが。)
教育の在り方
・知識ばかりの教育から物事を考える教育へ重点をシフトすべきだ。
具体的には各科目ごとに何故そうなるか自分だったらどう考えるかなのど質問をして生徒や学生に考えさせる教育し、彼らに問題意識を持たせる必要があると思うのですが。
番組全体の感想
各項目ごとにい頷けることや発言が多かったようですが、それだけで日本が生きて行けるのかと言えば、何か大きな所が抜けているような気がします。
僅かの時間ではカバーしきれなのは判りますが、日本は本当に難しい立場に立たされているのでしょう。
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