政治家の中で心配性の私がとても気になっている一人は自民党の谷垣さんです。
それは彼の発言が国民の考え方と可なり遊離していることです。
[行き詰まる自民党の国会戦略]
谷垣さんはではことある度に「一日も早く解散・総選挙に追い込むため、不退転の決意で闘い抜く」と言っていることです。
これに就いてマスコミの中で自民党に最も近いと言われている読売ですら次のような批判的の報道をしています。
・自民党は1月召集予定の通常国会会期中に衆院解散・総選挙に持ち込み、政権を奪還したい考えだ。
・党内では、菅内閣や民主党の支持率下落で、「今なら勝てる」との期待感が広がっている。
・ただ、政府・与党を解散に追い込む具体的な戦略や決め手があるわけではない。
・自民党は先の臨時国会で参院が問責決議を可決した仙谷官房長官と馬淵国土交通相が辞任しなければ、通常国会の審議に応じない方針だ。しかし、内閣改造で両氏が交代した場合、審議拒否はできず、国会を冒頭から混乱させ、解散に追い込むことはできなくなる。
[私の意見]
・菅さんが解散するか?
今解散したら負ける確率が非常に高いので絶対に解散しない。
その解散権は菅さんが持っている。
自民党でも安倍さん以来のネジレ国会でも正規の衆院選まで解散しなかった。
自党の事を考えても菅さんが絶対に解散しないことが判っているのに、菅さんを解散に追い込めると考えるなど、最近の地方選の連勝に舞い上がっているとしか見えませんが。
・政府追求の手段として、仙石さん、馬渕さんの問責問題を使えるか
菅さんの最近の動きを見ても彼を更迭する動きがある。
これは国会対策、小沢グループの動きからみて容易に考えられること。
昨日の報道では民主党と離れた立場にいる参院議長の西岡さんが仙石さんについて、長崎市で記者会見し、官房長官として不適格だ。議長として参院の権威を守る立場からも、断固として臨む。(内閣改造での他の)閣僚への横滑りは受け入れられない」と述べ、閣僚を辞任すべきだと明言した。そうです。
西岡さんの今までの言動からみても、このままでは思い切った行動に出るのは間違いないし、菅さんが仙石さんをそのままの位置に留めることは出来ないのは明らかです。
その手が打てないと次の内閣閣僚をまた問責決議などすれば、自民党時代と丸反対に民主党政権に優しい国民と一部マスコミの批判が起こるのは間違いないと思います。
・審議拒否をどれだけ出来るか
それかと言って何かと理由をつけて審議拒否をしてもマスコミでは数日しかもたない(詰まり民主党に優しい世論の批判が直ぐ起こる)と指摘しています。
・総辞職による新内閣批判について
これは自民党でもやって来たことで、民主党の新内閣は選挙はの洗礼を受けていないと、民主党と同じ論法で批判しても、自民党はどうしたかと反論が出れば、それでおしまいなるだけです。
[谷垣さんの発言、自民党の動きで首を捻ること]
・「みんなでやろうぜ」
今回の発言だけでなく。彼のピントがずれたような発言が報道される度に首をひねります。
自民党が政権陥落後の総裁選での「みんなでやろうぜ」のキャッチコピーで当選した谷垣さん、そして彼を選んだ自民党員。
国民は自民党が人気のある人を総裁に選び、後は族議員、派閥の領袖が裏でコントロールし、場合によれば首相の足を引っ張ってきた自民党の体質にアレルギー症状を持っているのに、これらの人も一緒にガンバローなんて。
もっとも党は定年制、重要ポストへの若手の登用などしてきましたが、野党ななった自民党へのマスコミの報道は減り、その評価の記事は殆ど出ませんでした。
・統一選のためTPPの議論先送り
最近の話しではTPPに絡む農村改革で、党内の反対(国民は直ぐに農水族のことを思い出しました)もあり統一選挙で不利になるので、TPP賛成の有無はその以後に再検討とすることが決まったことが報道されました。
これは自民党政権時代に良くやったことで、党利党略の政策運営を思い出させました。
・「たばこ分煙対策」の遅れ
そして最後は自民党本部の「たばこ分煙対策」の遅れが目立っている。民主党本部が完全分煙なのに対し、自民党本部は実力者に喫煙者が多かった影響か事実上の野放し状態。党内からは「時代に合わなくなったことを改革できない象徴だ」(若手議員)など見直しを求める意見や、谷垣禎一総裁の指導力発揮を求める声が出ている。と報道され、 「改革できない象徴?「分煙」進まぬ自民党本部」と揶揄されています。
この報道を読むと直ぐに、首相の足を引っ張ったり、リモートコントロールして来た族議員、派閥の領袖の存在を直ぐ浮かぶのは残念です。
[自民党のなすべこと]
最後の小さい問題は置くとしても、今の日本では国会運営でゴタゴタしているべきではないことは谷垣さんも、自民党員も皆知っている筈です。
私が何時も言う中国台頭にともなう日本のにとっては具合の悪い経済環境の大転換。
皆が中国の注目している内に、日本の国情によく似た韓国の躍進に置いて行かれそうな製造業。
そんな時期だからこそ経済成長に重点を置かねばならないときに、民主党政権の財源もないのに社会主義的な一律のばら蒔き政策。
鳩山さんの大チョンボの普天間基地問題から起こった安全保障環境の悪化と、それにつけ込んだ中国とロシヤなどなどなど政策とその運営はボロボロ。
最大野党の自民党のすべきことは、次の総選挙まで絶対に解散しない民主党政権が、国の方向を誤らせないようにすることです。
菅さんの今までの発言から見ると、野党の政策の良い所はそのまま丸呑みする抱きつき政策を取るのはほぼ間違いないと思います。
そしてそれが菅さんの延命に繋がり、ことに依れば支持率が上がり、結果的には自民党の不利になるかもかも知れません。
そうならないように、そして日本の行く道を誤らせないようにするのは、自民党に取っても非常にむずかしいことですが、そこは最大野党の責任でなんとか旨く凌ぐしかありません。
敵のことばかり考えずに足元を固めること
然し、今のような民主党政権と民主党の惨憺たる有り様でも、自民党の支持率は一向に上がらず、次期総理としての谷垣さんは相変わらずに格段に低い支持率を得ています。
谷垣さんも自民党も次の総選挙の備えて、自分や自党の不人気の理由をしっかり分析し、対策を講ずるべきです。
少なくとも今考えている国会戦術が谷垣さんや党の支持率を上げることにはならないことを知るべきです。
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