私は前々回のエントリーの「TPP論議の不思議」に就いて私の見方を書きました。
紙面の関係で省略したこともあり、素人が書く事ですから書き足らぬこともありました。
また私ののような小ブログにも関わらず貴重なコメントも頂きましたので改めて、不足分を追記したいと思います。
・私の基本的な考え方
私は前回、
然し全体的に言って、全容も判らずに、そして難しい判断を迫られる、経済の専門家でも明快な答えの出せないTPP加入の是非など判りません。(私は小ブログとは言え、読んで頂く方への責任上判らない所は判らないと書いてきましたが、それに就いては時々老人のずるい所だと指摘されています。)
ただ私の願いとしては、せめて日本にも長期的な視野と戦略を持つ指導者の出現と、TPPに参入するのなら米国を相手に、日本の利益のために一歩も退かないタフ・ネゴシエイターの出現を期待したいのですが。と書きました。
・TPP論議の前に被害者意識を取り去っては
TPP論議の反対者の中では、参加対象項目は絶対であり、それを押しつけるのは米国だと、米国に対して被害者意識を持っているような言い方をしている人もいるようです。
然し私は上記のようにこの件に就いては日本は米国と対等の立場で主張すべきところは主張すべき思います。
勿論、仮に参入の前提の議論しても、その結果を判断するのは日本です。
この被害者意識は小泉さんの時の事実上一方的な年次改革要望書の記憶から出たのでしょうが、当時は安全保障だけでなく、貿易でも米国は唯一無二の最大のお客様でしたから米国の言う通りになるのは、(国内で批判もありましたが)、ある程度致し方ないことだったかも知れません。
今回は安全保障に就いてのハンディは致し方ないとしても、米国が唯一の最大のお客様ではありません。
日本としてはそんなことのハンディは無視しても、対等の立場で堂々と日本の考え方を主張すべきです。
そう言えば、私の勘繰りですがオバマさんから普天間基地の移転先の埋め立ての許可を6月までに沖縄県知事に要望するような動きがあると報道されていましたが、日本としては沖縄県の同意を得られることは不可能に近いことから、TPPが議題と言われる9月のAPECではオバマさんは埋め立ての要求を引っ込める代わりにTPP参加を強く要望するのかも知れません。
・交渉する場合はタフネゴシエイターを当てよ
外交では千軍万馬の米国相手に、日本は私の期待するように(もしいたら)タフネゴシエイターを当てるべきと思うのですが。
・特に金融、電気通信などのサービス、公共事業や物品などの政府調達方法、投資のルール、衛生・検疫、労働規制や環境規制の調和などは、日本の国情から考えて、日本として譲れない所が多いと思います。
その中でも金融、投資、電気通信のサーピスなどは米国得意の分野でごり押しをしてくると想いますが、日本は十分に考え譲れない所は頑として頑張る必要があると想います。
労働問題では、政府が単純労働者は議論の対象になってないと説明していますが、社会格差の拡大に繋がるこの問題は絶対に拒否すべきだと思います。
・TPPと農業問題
前にも書きましたが、農村問題は農家の平均年齢が約65歳近くだそうです。
だからこのまま放って置けば、後十年か十五年には農村は危機的な状況に陥るのは目に見えているような気がします。
農業の生産性向上とそれに伴う若者の流入、Uターンは農村の再生に絶対欠かせないことは誰でも知っています。
それには突飛な思いつきですが、例えば農業機械も造っている久保田鉄工やヤンマーのような大企業による、思い切った全国規模の展開による、高価な農業機械の使い回しや、農業の機械化、(今までは農産品の価格決定は大手の流通業者の言いなりななっていた)流通業への参入などによる生産性向上をを図ってはどうでしょうか。
勿論、この動きについて行けない人達には韓国のように別途援助策を講ずるのは当然です。
実質的には農業の大型化や生産性向上などには、今まで農家に一番近いところにいる農協など農業団体の参入が望ましいのですが、今の農協の政府への圧力団体化や、農業機械の購入資金の貸し付けなどによる農家支配と言われているような、古い体質の改善が出来るのでしょうか。
いずれにしても、私が何時も書くように、900兆の国債、誰でもが必ず来ると知っている、少子高齢化への対策のように、面倒なことは先送りする日本の政治の状態から言えば、TPP参入の有無は別として、今が農村の体質改善の絶好のチャンスであり、(前に書いたようにTPP参入が良いか悪いか判りませんが)農業の体質改善が議論されぬままTPP不参入で終わると、今の年金問題の支給年齢の先送りのように、農村問題もいよいよ土壇場になってああでもない、こうでもないと言う議論になりそうな気がするのですが。
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