普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

中途半端な公務員新規採用4割削減

2012-03-09 18:49:19 | 公務員制度
実現不能の国家公務員経費2割削減のマニフェスト・既得権者の身を切らせることが出来ない政権・民主党政権は稲森さんの話を訊け
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 「ダイヤモンド・オンライン」に元経済企画庁長官の田中秀征さんの
既得権者が身を切らない」のが野田行革か!?国家公務員新規採用4割削減策の問題点]と言う記事がありました。
 野田佳彦首相が本部長を務める政府の行革実行本部は13年度の国家公務員の新規採用を09年度比で4割超削減する方針を決めた。09年の採用数が8511人であったのに対し、13年度は5100人となる見込みだ。
問題点
(1)行政分野を問わず一律に削減するのか。時代状況に対応して拡大する行政分野もあるし縮小しなければならない分野もある。専門職や基礎研究分野まで削るのか。それが明らかではない。
(2)厳しさが増している新卒学生の就職戦線にかなりの影響を与える。
  また国家公務員の年齢構成が逆ピラミッド化して、将来的に行政の効率性を維持できるのか。
(3)新規採用数をほぼ半減するとかなり思い切った削減に見えるが、全体数からみると、ほんのわずかなもの。現職公務員は今のままでよいのか。「官のリストラ」は「民のリストラ」に学ぶべきだ。
 この案はいかにも官僚の発想によるものだ。これでは「身を切る」のは学生たち。現役ベテラン政治家と官僚が身を切らないから財政再建は軌道に乗らない
 実現する国家公務員給与の7.8%引き下げもたった2年間限りのもの。嵐の間だけ布団をかぶっているに等しい。
「官のリストラ」とは給与水準の恒久的引き下げ、天下りの禁止、年金などの官民格差の是正などが本筋であり、野田行革はその本筋から逃げる方便としか受け取れない。
 結局、野田行革の特徴は「既得権者が身を切らない」ところにある。切ったとしてもほんのかすり傷程度のこと。
 なぜそうなったのか。行革案そのものが官僚が考えて差し出したものに過ぎないからだ

[私の意見]
・実現不能の国家公務員経費2割削減のマニフェスト

 田中さんが指摘するような事態になったのは前にも何回か書きましたが下記の民主党のマニフェストの国家公務員の総人件費を2割がが始めから問題があったのです。
 地方分権推進に伴う地方移管、国家公務員の手当・退職金などの水準、定員の見直しなどにより、国家公務員の総人件費を2割削減する。 詰まり地方分権→国家公務員を地方に移す→厳しい財政に苦しむ地方自治体は受け入れ拒否→政府より交付金などの形で自治体に補助→結局政府の負担は変わらないことは誰が見ても一目で判るので、政権が転がり込んでみれば出せないからです。
 そして天下り禁止→組織の台形化により経費の増大。
 2年限りの給与の7.8%下げ→消費税増税のための環境作りで田中さんが指摘するような問題だらけの案を提出、詳細は後で煮詰めるということになったようです。
・既得権者の身を切らせることが出来ない政権
 高齢者として歓心があるのですが、年金。医療の問題です。
 年金の支給額のスライド制の復旧、70歳以上75歳未満の高齢者の自己負担の増額など高齢者の負担になるものは総て見送り、私は年金・医療など財政が苦しければ生活に大きな影響の無い程度の高齢者の負担増はしても良いと思うのですが。
 話しは逸れますが放射能の公式の許容限度をこれと言った理由もなく下げて却って国民の不信を買うなど、余りにも国民のことに気を使い過ぎて、原発再開をより難しくするなど、自ら窮地に置く傾向があるような気がしてならないのですが。
・民主党政権は稲森さんの話を訊け
 田中さんは「行革案そのものが官僚が考えて差し出したものに過ぎないから」と言っていますが、民主党のように官僚を敵視せず(その癖田中さんの言うように政治家が上手くあしらわれている)質量とも政治家を勝る官僚が本気で改革を進めることを考えるべきだと思います。
 その一つの方法は石原都知事が考え出し橋下さんもそれに倣った、民間企業と同じ複式簿記の会計制度を導入して、公務員に原価意識を持たせるべきです
 これも「ダイヤモンド・オンライン」ですが、
会社の数字が“見える化”されて会社人としての意識が強くなったJALの機長の話が出ています。
稲盛名誉会長の指導の元にJALの全員が原価意識に目覚めて会社を再生した話です。
 もし国の会計制度も企業並みに直し、例の財政収支の円グラフに公務員の人件費や固定資産も一緒に表示するようになれば、公務員の意識も大いに変わってくると思うし、評判の良くない財務省が改革の主役になるかも知れません。
聞く所によれば稲森さんは民主党の数少ない財界の一人だそうです。
野田さん以下彼の経営の講義を訊いたら得る所が多いと思いますが。

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