普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

飯田哲也さんの山口県知事落選と市民運動の限界

2012-08-01 17:28:47 | 電力、原発

・行政批判、理想を語りながら、現可能性とコストを考えない「政策論の甘さ」「口先だけの主張」の市民運動家に化した飯田さん・橋下さんは飯田さんと絶縁し公務員制度改革に集中を
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 「週刊アゴラ」で石井孝明さんの「飯田哲也氏の敗北に思う-「典型的」市民運動の限界」で私も何度か触れた原発ゼロ論者で、環境エネルギー政策研究所長の飯田哲也がで山口県知事選に落選したことに触れて居ましたのでその一部を紹介します。 (なお括弧内は私の注記と意見です。)
 池田信夫さん率いる「アゴラ」は原発維持推進の立場ですので、この文中の総ては反原発派の批判として読めると思います。 (なお私もアゴラと同じ立場です。)
・私は経済記者として活動しながら10年ほど、エネルギー・環境問題を追いかけてきた。反原発運動では、市民科学者の高木仁三郎氏が亡くなった後、その中心になったのが飯田氏だった。
 親しい訳ではないが私は3-4回インタビューをした。そして考えは違うが、飯田氏を尊敬、評価した。  3・11までは。
・3・11以降、飯田氏は時代の寵児になる。弁が立ち、雰囲気も明るい。そして議論を正邪で捉える単純な二分論が横行する中で原発と電力会社を攻撃する彼の姿が目立った。反原発派の論理力は総じて低い。 (彼らは論理力は低いと言うより、その主張を総括をすれば原発は怖いに尽き、まともの対案はないようです。)多少まともなことを言う彼に注目の集まるのは当然だった。 (私も引用したように飯田さんの関西電力が原発を全廃すれば破産するのでその援助処置が必要の発言。)
・驚いたのは彼のツイッターだ。震災前1万以下だった彼のフォロワー数は6万強まで増えた。
・ところが私のようにエネルギーの議論を追っていた人間からすると、内容がとんでもないものになっていった。彼は次の主張をした。「近日中に原発の発電は自然エネルギーでまかなえる」(日本のチマチマした複雑な地形では代替に限度がありまた長期間かかる)「電力は足りている」(関西電力で実証済み)「原子力ムラの謀略だ」(一部の人達のレッテル貼りの常套手段)「ヨーロッパは理想の地」(ドイツ・スエーデンでは自然エネルギー志向修正の動き)「埋蔵電力はたくさんある」(故障が多く信頼性の少ないため放置した火力発電所まで合計)。言うまでもないが、全部間違いだったと現時点では明らかだ。
・さらに彼はエネルギー関係の政府委員、大阪府市のエネルギー戦略会議などの公職を歴任。現実の政策に悪影響を与えた。その過激な主張によって、それぞれの委員会が迷走したことは、エネルギー関係者の衆知の事実だ。(端的な例では橋下さんの大飯原発を再開予定の民主党政府の倒閣制限と敗北宣言)エネルギー問題では、電力会社に協力してもらわなければ何も進まない。そして「協力」は社会人の普通の感覚だ。ところが彼はまず「攻撃」をし、メディアで相手をののしった。(エネルギー戦略会議で攻撃ばかりで対案を示さない飯田さんと古賀さん)これは「活動家」の手法だろう。
・山口県知事選の詳細は知らない。しかし飯田氏は原発を争点にして戦ったそうだ。対立候補は官僚出身で華がなさそうだが、それでも負けた。
・当たり前のことだが、私たちはエネルギーのことだけ考えて生活している訳ではない。日々の生活がある。それだけを主張するのは、人々を動かさないだろう。
・そしてこの選挙手法、そして飯田氏の姿には、私がこれまで感じてきた「市民運動」の限界点が共通する。 (反原発派批判)
 正義や民主主義を唱えながら自分の主張を押し付ける非民主的行為を繰り返すなど「主張の非一貫性」。 (反原発派批判)
・行政批判を繰り返し、理想を語りながら、その実現可能性とコストを考えない「政策論の甘さ」「口先だけの主張」。
 先ず相手を攻撃し、正邪という単純な二面でしか物事を語らない「稚拙な運動手法」。 (反原発派批判)
・市民運動のすべてが、そうとは言わない。しかし飯田氏、そして支持をした人は、なぜ自分たちの運動が社会の大勢とならないかを考えてほしいと思う。上記の特徴は、一部の人が強く主張し、社会に無駄な労力を割かせている今の反原発運動にも当てはまる。
・この姿は飯田氏がかつて描写した民主主義の姿とは、酷な言い方かもしれないが真逆だ。そして彼は「典型的」な日本の悪しき市民運動の道をたどってしまった。
・飯田氏の敗北という結果、そしてかつて彼の語った理想的なエネルギー政策と民主主義のあり方は、どの政治的立場に立とうと、私たち一人に反面教師としてさまざまなことを語りかけるように思う。
 そして飯田氏がその高い能力と知性を、良き方向に修正して今後も活躍して欲しいと願う。

[私の意見]
 私は勿論著者の石井さんのように飯田さんを知っていません。
 然し報道される彼や元経産省の古賀さんでの原発に関する発言と、それに影響されたと見られる橋下さんの発言の振れを見て、橋下さんはエネルギー問題のような全国的問題より、当面の大阪府・市の改革に集中すべきだ。
 もし政界に打って出るのなら、少なくとも当面は全国的なテーマを捨て、得意の公務員制度や政府の構造改革に一本に絞るべきだと書き、この方面で使える古賀さん別として、飯田さんは切った方が良いと書いて来ました。
 飯田さんは報道では自ら山口県知事選のため大阪市の特別顧問を辞職したそうです。
 そして落選。
 私は橋下さんが敗者の彼を受け入れを拒否するのは非情かも知れませんが、上記のような意味で、そして石井さんが指摘したように橋下さんが更なる間違いをしないように、彼とは縁を切るべきだと思います。

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