普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

ミャンマーのデモ弾圧と日本

2007-09-29 16:02:58 | 政策、社会情勢

 僧侶を中心とする反政府デモの弾圧に踏み切ったミャンマー軍事政権に対して世界的な非難が起こっている中、カメラマンの長井さんの射殺事件で日本でもミャンマーに対する非難が集中している。

 そこで改めてWikipedia でミャンマーの軍事政権の誕生までの歴史を調べて見た。
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  ミャンマーの軍事政権誕生の歴史
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・イギリス統治に反対して現在の民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーの父であるがアウン・サンが独立運動を始めた。
・第2次世界大戦ではアウン・サンはビルマ独立義勇軍を率い日本軍と共に戦いイギリス軍を駆逐し、日本の後押しでビルマ国が建国された。
(ミャンマー国軍は1942年のビルマ独立義勇軍健軍をもって国軍建軍としている。)
・彼は日本の後押しするビルマの独立国としての地位に懐疑的になり、日本の敗色濃厚とみるやイギリスについた。
連合国に呼応した抗日運動が開始し、ラングーンを回復、対日勝利を宣言した。
連合国軍は戦後のビルマ独立を認めるつもりは無かったが日本軍を崩壊させるために利用価値があると判断し、各種の援助を行った。
 ・日本に勝利したもののやはりイギリスは約束を反故にし、ビルマは再びイギリスの植民地となった。アウン・サンの率いる愛国ビルマ軍は英国指揮下のビルマ軍に合併された。
・彼は完全独立に向けてのイギリスとの厳しい交渉や、国内対立の解消と国家統一への苦しい道を模索し続けるうち、政敵であり前首相の一味の手で6人の閣僚とともに暗殺された。
・1948年にイギリス連邦を離脱し、ビルマ連邦として独立した。
・ 独立直後からカレン人が独立闘争を行い、共産党は政権を離脱するなど、政権は当初から不安定な状態にあった。
・1949年、国共内戦に敗れた中国国民党軍の残余部隊がシャン州に侵入し、雲南省反共救国軍としてゲリラ闘争を行った。CIAが物資や軍事顧問団を援助した。
・政権は国連で台湾国民政府と米国の策動に抗議した。また一方でシャン州に国軍部隊を展開し、1950年代半ばまでに国民党軍勢力を一掃した。
・政権の仏教優遇政策は、キリスト教徒の割合が多い、またはキリスト教徒が支配的な立場を占める民族の強い反発を招いた。
・独立を求める民族勢力、国民党軍共産党勢力との武力闘争の過程で、国軍が徐々に力を獲得し、ネ・ウィン将軍が政権を掌握する下地となった。
・ネ・ウィン将軍は1958年から1960年の選挙管理内閣期を経て、1962年に軍事クーデターを起こし、ビルマ社会主義計画党の最高指導者として、軍事独裁体制を維持する。

 このようにミャンマーはイギリス、日本、米国、台湾の国民党軍、共産党など複雑な絡み合いの中で今のの国や政権の形を作ってきた。

 しかも現在では、
・中国はミャンマー政府に対する最大の武器供給及び経済援助国いであり、国連安全保障理事会でのミャンマー民主化要求決議案に拒否権を行使し続けている。
大ココ島を賃借し、南下政策のためにレーダー基地と軍港を建設した。
・歴代のタイ政府は、タイ・ビルマ国境に展開する反軍政民族武装勢力の存在を基本的に黙認し、ビルマ国軍との緩衝地帯として利用してきた。

と言う問題の解決を妨げるややこしい事情も抱えている。

 これらを考えると軍事独裁政権の正当性の有無は別としてそれなりの事情があるようだ。

 また最近の例としては、同じくWikipediaにによれば、
[タイの軍のクーデター]
  タイ王国では、
・首相の親族による株式インサイダー取引疑惑
・首相の汚職の疑い
・政権の議会解散、再選挙の宣言に対して主要野党が出馬をボイコット、憲法裁判所が選挙無効を宣言。
・首相は退陣する意向を示したが、そののち公務に復帰し、国民から反発を買う。
・首相の軍用機を私用
・政争に王室を巻き込む傾向への懸念

 などで陸軍が陸軍がクーデターを起こしその状態が未だに続いている。

 これらを総合的に見ると、軍が行動を起こす条件はどうにもならない閉塞感が国中に行き渡っているときに起こるようだ。

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  日本の軍事政権の誕生と現状
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 これはミャンマーやタイだけの話だけではない。

 日本でも政治に関する閉塞感から二・二・六事件や、五・一・五事件が起こり、次第に軍部が政治に関して介入し、力を持ち始め、遂には、海軍から米内さん、陸軍から東條さんなど軍人が首相になり、関東軍の独走、満州事変から世界第二次大戦から敗戦という辛い経験をしてきた。

 現在日本では民主党が参院で多数を占め、解散ー総選挙をまっしぐらに進もうとしている。
それに対して自民党は防戦に必死だ。

 一方国内では
・中国の台頭→企業競争力の低下→人件費の削減→社会格差発生、貧困化の進行と言う、経済発展政策の見直し、貧困化の甘受など国民の意識を変える以外は、どうにもならないとも思える現象

・少子、高齢化、家庭内殺傷事件の続発など社会の劣化など解決の方法は判っていても、国民の意識の変化に期待するほかないとか、敗戦後50年に亙って日本古来の良い所を無視または軽視してきたつけの支払いなど事実上非常に解決困難な問題を抱えている。

 その他何とか対処できそうだが、
・膨大な赤字の解消と少子高齢化や疲弊した地域に対する支出の拡大
・年金の財源→消費税アッブ→経済の沈滞
・今まで避けてきた日本の自立と国防の問題
など多くの問題を抱えている。

 これらを羅列してみて、そして参院で多数を占めた民主党と自民党の対立から来る政治の混乱や停滞党利党略で国会が機能しなくなるなど、状況によっては国民の間に閉塞感が拡がると言う軍隊の決起を促す条件が揃っている。

 勿論私は今のの自衛隊がそんなことをする筈がないと信じているし、日本国民はそんなことを許す程馬鹿ではないと思っている。

 だからと言って政党がそれに甘んじて、やりたい放題のことをして良いことにはならないし、またそうすれば軍の決起などなくても日本の環境が今以上に悪化するのは間違いないだろう。

 私は二・二・六事件から日本に軍事政権が誕生した責任は当時の政治家、政党の責任だと思っている。

 今の異常事態の処理するのに政治家、政党とももっと緊張感を持って処理して貰いたいと思う。
 特に解散、総選挙しか頭の無いように見える民主党の節度ある対応して貰いたいものだ。

参照:
 第二の二二六事件?

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2 コメント

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Unknown (無党派A)
2007-09-30 11:45:20
どりさん、貴重なアドバイスを頂きまして有り難うございます。
今後ともご助言とサポートをお願い致します。
返信する
Unknown (どり)
2007-09-30 03:03:52
憲政の常道が、互いの足を引っ張るだけの
醜い争いと財界との癒着へと堕していった様は、
似ているとも言えますね。

結局、国民自身が手続きに則ってこれを正さない
限り、同じ失敗を繰り返してしまうのでは
ないでしょうか。
返信する

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