普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

長期的視野で見た経済問題・シンクタンクの設置 

2012-01-09 10:47:17 | その場凌ぎの政治
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 昨日のフジテレビの「新報道2001」で、民主党政調会長代行仙谷由人氏、自民党政調会長代理、林芳正氏、青山学院大学教授榊原英資氏、日本総研主席研究員藻谷浩介氏、チームラボ社長猪子寿之氏による、若者不遇!?高齢者も不満!?民主・仙谷氏を生直撃年金不公平&消費増税広がる格差問題を激論と言う番組の中で藻谷浩介さんが下記のような独自の理論を述べていました。
 不勉強の私は彼の名を始めて聞いたので、ネットで調べて見ると「デフレの正体」の著者ですが、余りにも人口問題と関連させた理論を展開しているようで、かなりの批判が集まっているようですが、ツイッターでの同番組の書き込みでは藻谷さんの意見は非常に判りやすいと好評でした。
 その論点の紹介と、それに関する06年から書いている「その場凌ぎの政治から抜け出すために」シリーズその他で書いている私の考えと、最近の感想(括弧内)を並べて見ました。
・今から人口対策をしても、子どもが生産年齢に達するまで20年かかるので、それまでに年金制度は崩壊している。
(最近では内需拡大の意見は殆ど見えなくなりました。)
・大国は大国なりの小国は小国なりのやり方がある、然し1億以上の人口を抱えている日本は中途半端だ。小国で身軽さを活かして上手くやっているのはシンガポール(横から韓国もそうだの声)で経済活動の波に上手くのっている、一方北欧諸国は小さな経済規模ながら福祉国家を形成に成功している。
(現在、中国の成長の影響が藻谷さんの言う大国の米国やEUにも及び、世界的な経済不況→中国の人勝ちのはずが中国もその影響を受け始めています。勿論日本も円高などで厳しい経済運営を強いられています。)
・電気製品は一番競争力が無い。日本で一番競争力があるのは機械部品。サムソンのスマホの部品の4割は日本製と言われ売れるほど貿易黒字が増える。日本は過去最大貿易黒字継続中、国債破綻は当面ない。
(国債発行がこれまでのペースで増える一方、高齢化による貯蓄の取り崩しによって金融資産が目減りすれば、国民の資産だけでは国債を吸収できなくなlます。そして隙あればと狙っているヘッジファンドの動きも見逃せません。)
・日本は稼いだ金の国内分配が歪構造になっているだけ。日本企業は中国、インドなどに積極的に出てその収益を日本に持って帰れば良い。
(前に何度も書きましたが、空洞化した地域で雇用の問題、人口減で苦しむ流通業の問題も大きいと思います (*注記)もう一つの問題でグローバル化し考え方まで無国籍化した経営者が儲けた金を日本に持って帰るか否かも判りませんし、持ってかえっても空洞化した日本での仕事もないのに、技術の維持、向上のための投資以外に、どう言う形でばら蒔くのでしょうか。)
[私の意見]
 ネット上で色々と批判されている藻谷さんだそうですが、私が評価するのはここ10~20年先のことまで考えていることです。
 詰まり彼は日本は北欧型経済を目指すのか、今までの市場中心主義、成長路線を目指すのか、将来の方向を問いかけていることです。
 政治家もある意味では水商売ですし、新聞もテレビもそうです。
 だから目先の受けの良い事ばかり並べて、先のことを考えようとしません。
 経済の専門家の発言も飯の種に繋がるので自説にこだわること、目先のことを言わねば商売にならぬこと
 だから私のシリーズもののように「その場凌ぎの政治」になって仕舞いがちです。
 私は小ブログながら、「大きな立場で、公平に長期的視野に立って日本のことを考える公的なシンクタンク」の設置を訴えてきました。
経済関係に就いてのシンクタンクのそのテーマの例
提案した年度・06年
・石油など化石燃料の涸渇(化石燃料価格の高騰)
・地球温暖化 (原発問題で温暖化も化石資源涸渇の問題も吹っ飛んでいます。)
・丸呑みのアメリカ型市場経済で良いのか→07年:悪化し始めた米国経済→08年:中国、インドなどの台頭に伴う問題、拡大を前提とした経済政策で良いのか、米国型の企業運営で良いのか、米国のバブル崩壊は基本的な経済環境変動の前兆か、中国等のBricsの影響
・少子化→08年:外国人労働者の受け入れ、高齢労働要員の活用
・800兆円の負債(現在1000兆円も近い)
08年
・日本型の経営と日本株式会社化
・工場の地震地帯への偏在の問題、地震対策は(福島第一の原発事故)
 このように並べて見れば5~6年前でも、素人でも判る当たり前のことばかりです。
 然し実際は言うやさし、行うは難しで、面倒なこと、票にならぬことはは先送りにし、現在の行き詰まった状態になっています。
日本人は大きな立場で、公平に長期的視野に立って物事を考えるのが不得意のように見えます。
そして前に書いたように政治、マスコミ、経済の専門家もそれができないかやらない環境にあります。
 だからこそ公立のシンクタンクを作り、国際的に秘密を要するものは除いて、誰でもが利用できるようにすべきと思うのですが。

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*注記:新日鉄が八幡製鉄所の基幹工場をそっくり君津に移したために、北九州市の収入は激減、中央区と黒崎駅前のかなり大きい商店街とその中間の中小商店街はすっかりシヤッター通りになりました。

参照:カテゴリー→その場凌ぎの政治


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2 コメント

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Unknown (誠に残念ながら)
2012-01-11 23:54:28
投資も、会社の運営も国家経営も情報が大事なのは同意致します。
この件に関しては、私は意見をブログ主様と同じく致します。
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Unknown (あき)
2012-01-11 06:51:40
 アメリカには、シンクタンクがたくさんあるそうだが、衰退を止められない。ドルもユーロも没落は否定しようもない。歴史の流れは人知を超えているのじゃないかな?
 じゃ、日本にシンクタンクを作っても、もっともらしいことを言う学者への失業対策事業になるのではないかと思う。
 アメリカの場合、広島、長崎、東京などでの虐殺、イラクでの虐殺、アフガンでの虐殺などで、幽霊がとり付いていると考える方がわかりやすい。ま、罪のない人を殺しすぎたのだ。フセイン、カダフィの幽霊もとり付いているだろう。
 硫黄島には幽鬼が出ると青山氏が言っているそうだ。日米とも、この島での死者への弔いが済んでいない。北方のアッツ島の戦死者の遺骨は沼にあるままだろう?ま、こちらが先だ。「俺達を忘れて繁栄を楽しんでいる」と鎮魂されない幽鬼たちが長期の停滞を招いているのだろう。
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