24日の野田さんの施政方針演説演説に就いて各社が社説を書いています。
・読売新聞:施政方針演説 「決断する政治」への戦略持て
「決められない政治からの脱却」、「政局ではなく大局を」――。
意欲と志はいい問題は、それを実現するだけの周到な戦略が、野田政権にあるかどうかだ。
野田首相の施政方針演説は、政権交代前、自民党の首相が行った施政方針演説を引き合いに出した。
福田首相は「与野党が話し合い、国政を動かすことこそ政治の責任」と述べた。麻生首相は「消費税を含む税制抜本改革を行うため2011年度までに必要な法制上の措置を講じる」と約束した。
こうした発言と、社会保障・税一体改革の協議に応じない今の自民党の姿勢とは食い違うと、野田首相は言いたいのだろう。
自公政権当時、さんざん抵抗したのが民主党だったことから、野党側から激しい反発が出た。
政府・民主党も、これまで通りの対応では済まない。まず、消費税率引き上げの必要性を意を尽くして国民に説かねばならない。
・民主党は政権公約(マニフェスト)で、13年までに年金一元化や月額7万円の最低保障年金など新たな年金制度を創設すると掲げている。この公約と一体改革との関係がわからないというのが、公明党の主張である。
その際、財源すら不明確なマニフェストの実現にこだわり続けていては、野党との協議は始まるまい。首相はマニフェストが、「決断する政治」を妨げる要因であることを忘れてはならない。
・産経新聞:施政方針演説 言葉だけで信は得られぬ
「決められない政治」からの脱却は良いが野田政権が重要政策の全体像を具体的に示していない。
・国会審議を前に、岡田克也副総理らが「消費税率を10%よりさらに引き上げなければ、年金制度の抜本改革はできない」と述べている。だが、民主党の年金制度改革案は、マニフェスト(政権公約)にうたった巨額の費用を要する月額7万円の最低保障年金の創設などばらまき色が強く、実現も困難視されてきた。
朝日新聞:施政方針演説―気合十分、説得力不足
野田首相は施政方針演説のほぼ3割を、社会保障と税の一体改革と、その前提となる政治・行政改革に割いた。震災復興、原発政策、経済再生などより大胆に手厚く論じたことで、消費増税を柱とす めざす方向性も、共感できる部分が多い。 だが、説得力が弱い。
言葉に力を込めたわりに、改革をすすめる道筋、仕掛けの具体性に乏しいからだ。
ただ、自民党の演説を引用した手法は余分だった。民主党の野党時代の攻撃的な言動を問い返され、またも与野党の泥仕合を招きかねない。
「政治を変えましょう」首相は演説で、こう呼びかけた。私たちもそれを期待する。実現できるかどうか。改革の成否は、この一点にかかる。
[私の意見]
私はたまたま前回のエントリーで「決められぬ日本の政治」に就いて書きましたが野田さんも同じことを言っていました。
然し私は野田さんの演説を聞いていて、全体として朝日の言うように演説の名手と言われる野田さんとして説得力不足を感じました。
一つには施政方針演説に有り勝ちな国政全般のあらゆるテーマに就いて語ったために、野田さんが一番力を入れている社会福祉と税の一体改革に時間をとったのは良いが後がしり切れトンボに終わったからです。
もう一つは意表を突いた福田さんの麻生さんの演説を引き合いに出して自民党の協力を求めたことですが、読売・朝日が書いているように、その演説に対する民主党の対応に突いての批判が自民党からの反発だけでなく新聞ネットでも批判が起こり逆効果に終わったようです。
その反発の一つの要因は、野田さんの演説の前に彼の「書いてあることは命懸けで実行する。書いてないことはやらない」と言い、やらない例として消費税を取り上げた街頭演説の映像がネットに流されたことで、そう言う野田さんは何だということになりました。
福田・麻生発言を引用するのなら、二人の発言がいかに時期を得たものであったか、それに対しする民主党の反応が党利党略と言われても仕方がないものだった。
正直な岡田さんの言うように政権を取って始めて(自民党に対する褒め殺しの意味も含めて)福田・麻生発言適切なものだった改めて判ったと自省の念をのべ、改めて自民・公明に協力を願うべきでした。
さらには読売・産経が指摘したように、そして現実として岡田さんが幹事長時代に自民党などと民主党のマニフェストの修正をしていたのですから、財源すら不明確な民主党のマニフェストや自分の「書いたこと」発言に就いてその不適切な点もあったことをあっさり認めて、野党の協力を求めるべきでした。
勿論、このようなことを言えば多数を誇る党内野党の小沢グループからの猛反発があると思いますが、野田さんがそれこそ不退転の気持ちで福祉と税の一体改革をやるのなら、それくらいは無視してでも、野党の協力を求めるのが彼のリーダーシップ発揮と言えると思うのですが。
然し野田さんの意欲とは別の彼のやる気を疑うようなへんてこな党内のバランスばかり考えている内閣人事を見ると、野田さんは何を考えているのか判らなくなります。
そして社説で野田さんの演説べた褒め朝日ですら説得力不足と言うように、野田さんがやる気なら自分の心を曝け出さねば人の心にしみこんで来んで来ません。
そして前にも書いたように、消費税増税の不退転の野田さん-それに反対する100名以上の小沢グループ-消費税増税を公約に持つ支持率低迷の自民党の間でどうなるのでしょう。
大震災の復興・原発事故の日本で、貿易収支が赤字発生、それも長期間の予想。
それで「決められない政治」に終わらないように、関係者頑張りを期待したいのですが。
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