前月号鑑賞 石神 紅雀 選評
「どちらかも見ても丸くてつまらない」 吉丸 玲子
球状なら当たり前。聖人君子のようなお人柄のことだろうか。ちょっぴりといびつな方が魅力的だ。
「敗戦のハチマキていねいに畳む」 古谷 龍太郎
優勝のハチマキならそうだろうと思うけど。敗戦のハチマキだから心を奪われた。句跨りも良い。
「不発弾からだの中の小まい石」 古野 つとむ
「こまいいし」に愛情を感じる。方言だろうか。中川あき子さんのお父様の石と通じるものがありそうだ。
「過ぎたこと真っ赤に燃やし引っ越しだ」林田 律子
燃やしている理由は都合が悪いからではなくて、完全燃焼されているのだろう。美しい引っ越し。
「白旗をあげてのんびりしています」 神谷 幸恵
勝ち目かあけうがなかろうが、さっさと白旗をあげてしまう。これぞ処世術。波風は立ちません。
妙に説得力が句だ。いったい何をされていたのか判らないが、それが生きることだと思う。
「ダンゴ虫地球何度も裏返す」 桜木 山彦
うん?表現だ。ダンゴ虫が丸るまるたひ日に地球が裏ががえる。目からうむこ。丹後歩虫は怪力だ。
本社句会「自由詠」(雑詠)合評
司会:古谷龍太郎
左の数字は上位の得点、右の欄は個々または全体的な指摘、「」内は参考句
6・国中の溜め息集め稀勢里 このままで良い
・感謝して飄飄生きる浮世路地 表現が古い
「世の流れに合わせ感謝をして生きる」
6・原石を川に投げ込み丸くする もっと強い表現に、投げる→小石を連想
「急流に原石祈りつつ放る」
4・あと始末つけた女は麦を踏む あと始末つけた→あと始末つけて
・ノックして洩れそうになる蛇口 字足らず、場面は判るが上品に
「震える手で分厚いドアをノックする」
9・副作用あるから困る嫁の愚痴 どんな副作用?あるから困る→平凡
「姑の臍またまた曲げた嫁の愚痴」
4・席はある何時で来いと詩が誘う 詩が誘う→具体的に
「川柳へどなたもどうぞ自動ドア」
4・夢が一杯百歳の春帽子 字足らず
「百歳の夢一杯の春帽子」
・くろがね誌見るたび判る未だ未熟 くろがね誌→動く、未だ未熟→意味がダブル
「毎月の句誌が教える我が未熟」
・寄席はねてテケテケテけと急く太鼓 寄席の現状をそのまま詠んだ句
・反論はしない耳元のささやき リズム感が悪い
「耳打ちの近所の噂聞き流す」
・ラジオ体操それで治った肩の凝り それで→不要。治った肩の凝り→当たり前。
「ラジオ体操今日も気になる老女来る」
3・善玉のウイルス同居して元気 そうですね川柳。
「善悪のウイルス飼って喜寿を越す」
4・気持ちだけと判っているが鶴を折る 前向きの句が欲しいと言う意見と作者の意を酌むべきと言う意見に別れる。
前者の句
「鶴を折る指は絶望などしない」
・独り寝は寒かろ里は雪の中 誰の事か判らない
「独り寝の老母寒かろ里は雪」
・感謝です自由気ままな八十路 自由気まま→少し心に引っかかる
「金はないけれど気ままに八十路坂」
3・激論に一人微笑み待つ出番 激論の時に微笑む?
「激論に俺の出番とほくそ笑む」
・恋心抱え亥年を生きていく 亥年を生きていく→このままでは動く。亥年を活かすこと
「亥年来るこれから彼へまっしぐら」
11・指切りの下手な爪から切っておく 切っておく→剪って行く
7・負けた子の肩を黙って抱いている 抱いている→抱いてやる
・足元へ百迄生きる夢が来た 面白い
筆者注:参考句は作者の考え、評者の意見を忖度して試作したもので必ずしもベストでは ない
「どちらかも見ても丸くてつまらない」 吉丸 玲子
球状なら当たり前。聖人君子のようなお人柄のことだろうか。ちょっぴりといびつな方が魅力的だ。
「敗戦のハチマキていねいに畳む」 古谷 龍太郎
優勝のハチマキならそうだろうと思うけど。敗戦のハチマキだから心を奪われた。句跨りも良い。
「不発弾からだの中の小まい石」 古野 つとむ
「こまいいし」に愛情を感じる。方言だろうか。中川あき子さんのお父様の石と通じるものがありそうだ。
「過ぎたこと真っ赤に燃やし引っ越しだ」林田 律子
燃やしている理由は都合が悪いからではなくて、完全燃焼されているのだろう。美しい引っ越し。
「白旗をあげてのんびりしています」 神谷 幸恵
勝ち目かあけうがなかろうが、さっさと白旗をあげてしまう。これぞ処世術。波風は立ちません。
妙に説得力が句だ。いったい何をされていたのか判らないが、それが生きることだと思う。
「ダンゴ虫地球何度も裏返す」 桜木 山彦
うん?表現だ。ダンゴ虫が丸るまるたひ日に地球が裏ががえる。目からうむこ。丹後歩虫は怪力だ。
本社句会「自由詠」(雑詠)合評
司会:古谷龍太郎
左の数字は上位の得点、右の欄は個々または全体的な指摘、「」内は参考句
6・国中の溜め息集め稀勢里 このままで良い
・感謝して飄飄生きる浮世路地 表現が古い
「世の流れに合わせ感謝をして生きる」
6・原石を川に投げ込み丸くする もっと強い表現に、投げる→小石を連想
「急流に原石祈りつつ放る」
4・あと始末つけた女は麦を踏む あと始末つけた→あと始末つけて
・ノックして洩れそうになる蛇口 字足らず、場面は判るが上品に
「震える手で分厚いドアをノックする」
9・副作用あるから困る嫁の愚痴 どんな副作用?あるから困る→平凡
「姑の臍またまた曲げた嫁の愚痴」
4・席はある何時で来いと詩が誘う 詩が誘う→具体的に
「川柳へどなたもどうぞ自動ドア」
4・夢が一杯百歳の春帽子 字足らず
「百歳の夢一杯の春帽子」
・くろがね誌見るたび判る未だ未熟 くろがね誌→動く、未だ未熟→意味がダブル
「毎月の句誌が教える我が未熟」
・寄席はねてテケテケテけと急く太鼓 寄席の現状をそのまま詠んだ句
・反論はしない耳元のささやき リズム感が悪い
「耳打ちの近所の噂聞き流す」
・ラジオ体操それで治った肩の凝り それで→不要。治った肩の凝り→当たり前。
「ラジオ体操今日も気になる老女来る」
3・善玉のウイルス同居して元気 そうですね川柳。
「善悪のウイルス飼って喜寿を越す」
4・気持ちだけと判っているが鶴を折る 前向きの句が欲しいと言う意見と作者の意を酌むべきと言う意見に別れる。
前者の句
「鶴を折る指は絶望などしない」
・独り寝は寒かろ里は雪の中 誰の事か判らない
「独り寝の老母寒かろ里は雪」
・感謝です自由気ままな八十路 自由気まま→少し心に引っかかる
「金はないけれど気ままに八十路坂」
3・激論に一人微笑み待つ出番 激論の時に微笑む?
「激論に俺の出番とほくそ笑む」
・恋心抱え亥年を生きていく 亥年を生きていく→このままでは動く。亥年を活かすこと
「亥年来るこれから彼へまっしぐら」
11・指切りの下手な爪から切っておく 切っておく→剪って行く
7・負けた子の肩を黙って抱いている 抱いている→抱いてやる
・足元へ百迄生きる夢が来た 面白い
筆者注:参考句は作者の考え、評者の意見を忖度して試作したもので必ずしもベストでは ない
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