普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

原発反対の毎日新聞の主張を検証する

2012-08-28 17:25:27 | 電力、原発

 ・原発を残すのは安全な原発から・原発運転に伴う経費は電力会社負担に・化石燃料の涸渇など樹様な問題を避け、家計のことを先に取り上げ経済への影響再生可能エネルギーの現実性を後回しにした毎日新聞の魂胆・政府のすべきことは電力会社の責任を明らかにした上その自主性に任せること
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 昨日のツイッターで毎日RT編集部の「原発ゼロが現実味を帯びてきています。「経済がむちゃくちゃになる」などと経済界は警告しますが、そこに存続派が忍び込ませたウソはないのか、検証しました。」と書いてあるのを見て、私も毎日の言い分を「検証」してみました。 (括弧内は私の意見です)
特集ワイド:原発ゼロの世界/上 存続派の「まやかし
「実現不可能」「経済がむちゃくちゃになる」。経済界がそう警告する「原発ゼロ」が現実味を帯びてきた。野田佳彦首相ら政府が検討に入り、国民世論の多数を占めつつある。もちろん不安はある。だが、そこに存続派が忍び込ませたウソはないか。上下2回にわたり「原発ゼロの世界」の可能性を検証する。
・原発を残すのは安全な原発から
 「国民が知りたいのは原子力の比率をどうするか、などではない。再稼働をするかしないか、するならば、どこの原発を動かすのかという点です。2030年に0%、15%、20〜25%という政府の選択肢の示し方は、さも15%が中庸であるかのように見せかけ、世論を原発存続へ誘導しようとしたとしか思えない」。そう憤るのは、「原発のコスト」の著書のある大島堅一・立命館大教授(環境経済学)だ。
(「再稼働をするかしないか、するならば、どこの原発を動かすのか」の説には賛成です。もし原発を減らすのなら保安院も指摘したように、地震・津波の被害を受ける可能性の殆どない、九州の玄海、川内や北海道その他の原発を最優先にすべきだし、今回の事故で高圧注水で困難を究めた沸騰水型でなくて、間接冷却型で原子炉停止後も大気圧で注水できる加圧型を選ぶなど、その他の条件を含めて安全を重点に選ぶべきです。)
(*討論型世論調査、パブリックコメントを引用して原発ゼロを主張) (これらの数字は人気投票に似たものでその数字はどうあれ科学的には無視すべきです。)
 脱原発を掲げるNPO法人「環境エネルギー政策研究所」の松原弘直さんが言う。「使用済み核燃料の発生を可能な限り止め、核燃料サイクルを即時中止すべきです。15%案では使用済み核燃料はさらに増え続け、廃炉までに要する時間も延びる。つまり、リスクがより長く続くことを意味しているのだから」 (この説では廃炉を前提とした意見ですが、存続を前提とした場合は使用済み核燃料の処理は続けるべきで、原発維持かゼロにするかのどちらかを決めるのが先決です。)
(*再び討論型世論調査やパブリックコメントを引用)
「電気料金が上がり、家計を直撃する」。「原発ゼロ」にはそんな脅しがあるが、どうなのか。
 政府の試算で原子力の比率を下げるに従って電気料金が上昇するのは、石油などの化石燃料エネルギーに依存する分、燃料費がかさむのと、再生可能エネルギーの普及には最大で約33兆円の設備投資が必要と見込まれるからだ
。(「再生可能エネルギーの普及には最大で約33兆円の設備投資」は新入りの民間資本で、家計に跳ね返るのは再生エネルギー買い取り制度に伴う家計への負担の増加だけ。他に政府が支出するのは、再生エネルギー設備普及の補助金だけ。それて33兆円とは?それとも電力の安定供給のために太陽光・風力発電の停止時に対応するため必要なの火力発電の投資を意味する?)
・原発運転に伴う経費は電力会社負担に
 経済産業省は長い間、各電源の1キロワット時当たりの発電コストについて、原子力5・3円、火力10・7円、水力11・9円とし、「原子力が最安」と説明してきた。しかし、大島教授は「原子力は安いというのは誤り」と断言する。
 「原子力の発電コストには、燃料費など発電に直接要するもの以外に、研究開発のためのコストや原発の立地対策のための政府の補助金、つまり政策コストを含めるべきです。そうすると、私の試算では過去の実績で1キロワット時10・25円になる。現状は、補助金という形で、国民の税金によって原子力コストの一部を肩代わりしているだけです。
(研究開発費でも本来メーカーが開発する分は除くべき。それ以外の分で「電力会社が必要と思う開発の費用や原発の立地対策のための政府の補助金」は電力会社が負担すべきだと思います。要するに電力会社に原発建設・運転の決定権を自主的に選ばせることです。もし電力会社がそれで損をするのなら、政府が何もしなくても国民の意向がどうあろうとも原発をあきらめるでしょう。)
それどころか、事故リスクを含めればどの電源よりも高くつく」と大島教授。
 原子力委員会は昨年11月、福島第1原発の事故の損害賠償額試算などをもとに、事故リスクのコストを試算。それによると、損害賠償額は4兆9936億円。大島教授は「この試算ですら、損害額や除染費用をまだ過小評価している。原子力に経済性がないことは明白です」と指摘する。
 (5兆円が正しいか否かは別として、それに近い数字の発生は1000年に一度の天災の結果起こった数字です。前にも書いたように国が原発の建設・運営を電力会社の自主責任とすれば、電力会社はこの数字にどう対応するでしょう。原発を持つ総ての電力会社は協力して、1000年に1度起こるかもしれない事故に対して積立金を作るでしょう。(今でも似た組織があったような気がしますが思い出せません)それを保険会社が黙っているわけがありません。いきなり私の小さな話しになりますが、私の地震保険の掛け金は年で約5万円、支払い金は200倍の1000万円です。保険会社の場合は1000年に一度起こる事故の確率に対して5兆の何%の掛け金を設定するのでしょう。それに対して引き合うか否かは判断するのは電力会社です。)
 松原さんは「エネルギー選択をするに当たって、最も大切なのは原発事故リスクをどう評価するかだ」と言う。「電気料金や経済への影響についての政府の試算や経済団体の試算は全て、もう原発事故が起きないことを前提にしている。けれども、これは『安全神話』に過ぎません」(私は原発事故が起きる、起きないより、その事故の起きる確率のほうが問題で、その事故を限るなくゼロに近づける努力が必要と思うし、電力会社もやっていると思います。)
 政府の示す電気料金の値上がり幅についても「電力システムの改革による電力自由化や価格決定方式の見直しに加え、従来のような電気の無駄遣いをやめれば、試算ほどの料金負担にはならない。たとえ値上がりするとしても、皆が広く薄く負担することが、自分たちの安全安心につながっていくのです」と語る。
・化石燃料の涸渇など樹様な問題を避け、家計のことを先に取り上げ経済への影響再生可能エネルギーの現実性を後回しにした毎日新聞の魂胆
 エネルギー政策の岐路に立つ日本。次回は原発ゼロで「経済がダメになる」「再生可能エネルギーは非現実的」という声を検証する。
 毎日新聞の書き方によると石油資源の涸渇、温室効果ガスの増加とそれに伴うかも知れない地球の温暖化や日本の温和な気候から苛烈な気候への変化。事故により放射能が偏西風に乗ってくる中国や韓国の原発の対応など自社の主張に都合の悪い情報には触れない積りかもしれません。
 ここまで毎日の主張に添って書いてきましたが、家計の問題よりもっともっと大きい問題は、そして家庭に大きな影響を及ぼす毎日の言う「「経済がダメになる」と言う問題と原発ゼロか否かを決定する、「再生可能エネルギーは非現実的」の声の検証」の検証です。
・政府のすべきことは電力会社の責任を明らかにした上その自主性に任せること
 私は福島第一の事故が起こったときから、その責任の殆どはオンボロの福島第一を抱えた隠蔽体質の東電の責任だと書いてきました。
 マスコミや反原発派は電力会社の対応が遅いと批判していますが、会社や原発の現場は日本り原発ゼロの空気とは別に、福島の事故を教訓に保安院の指導項目以上に原発事故ゼロの基本対策を必死になって考え、実施していると思います。
 何故なら次に原発の大事故を起こせば自社の破産は必至ですから。
 私は政府は事故の責任の殆ど総ては電力会社にあることを明らかにするだけにし、それに対する対策を会社に任せることが、原発問題解決の筋道だと思います。
 そして原発の早期廃止に伴う諸問題は70~100%近い確率で必ず起こりますが、前述のように各電力会社は福島第一の教訓を活かし、情報をかき集め対策を講じている結果として、今後大きな原発事故が日本での起こる確率はゼロかそれに近い数字、その事故の後始末に失敗して外部に影響を及ぼす確率は殆どゼロになっていると思います。
 私たちはこれまでに醸成されてきた原発ゼロの空気で、大局を誤らないようにすべきだと思います。

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DB:原発事故の賠償責任
 原発事故に対する賠償問題については、「原子力損害の賠償に関する法律(原賠法)」(1961年制定)で定められている。原子力損害とは、放射線や熱などによって生じる損害のこと。原賠法は、原発を運転中に事故が発生した場合、電力会社だけが損害賠償責任を負い、メーカーなどは賠償責任を負わないとしている(原子力損害でない場合は、民法や製造物責任法によって賠償責任が生じる)。
 電力会社に対しては無限責任が求められ、賠償限度額は設定されていない。仮に賠償額が甚大となり、経営が破たんするなど電力会社では損害を賠償しきれない場合は、国が代わって補償する。過去に原賠法が適用されたのは、1999年に茨城県東海村で起きた臨界事故。このときは放射性物質の飛散などはなかったとされているが、事故を起こした核燃料加工会社JCOが負った損害賠償額は150億円に達した。
 ただし、これは通常の条件下で事故が起きた場合。今回のような「想定外の巨大地震」による事故は、電力会社の賠償責任とはならず、国が必要な措置を講じることとされている。戦争やテロによる事故も、同様の扱いだ。
 原賠法がなければ、原子力事故が起きた場合の倒産リスクが高すぎ、民間企業は原子力産業に参入することができない。また、原子力損害賠償の仕組みがないままだと、賠償責任を負った会社が倒産し、被害者が補償を受けられない事態に陥る可能性が高い。原賠法が作られた背景には、このような理由がある。
 ちなみに、社団法人日本原子力産業協会によると、米国では電力会社の責任は有限で、保険や共済で手当てしている125億ドル(約1兆円)が上限。損害額がこれを超える場合は、大統領が議会に補償計画を提出し、議会が必要な行動をとることになっている。
 ドイツも賠償責任は原子力施設の運営者にあるとされており、25億ユーロ(2800億円)を保険で担保。ただし、米国と異なり運営者は無限責任で、25億ユーロを超す損害についても賠償責任を負う。「異常かつ巨大な自然現象」などによって発生した損害が政府補償の適用対象となる点は日本と同じだ。
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1 コメント

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やっぱり山の賑わいか? (あき)
2012-08-30 04:48:02
 太陽光発電について、原発推進の人は否定的だ。一般家庭の電気代が上がるとか。農地に設置して、自給率を下げるとか。
 今でも、買取をしているよ。我が家では50円ぐらいかな?それぐらい負担している。電力会社の領収書を見れば書いているよ。
 数千円も負担するなら、そりゃ、問題だ。でも、コーヒー一杯分ぐらいなら、おカネの廻りでよいのではないかと思う。
 太陽光発電の場合、パネル製造業者よりも、案外、設置業者におカネが廻って来ると思うね。電気工事業だろうけど、中小企業ばかりで、青息吐息だっただろうけど、神風になるか?
 エアコンの場合と同じかな?エアコン製造業者はもちろん、パナソニックのような巨大企業。販売はヤマダのような大企業。でも、設置業者は、ワシの仲間みたいな零細企業。交渉しだいで負けてくれるし。中小企業にもおカネが循環してくるのがよいね。
 原発だと、特定のお仲間だけに、おカネが降り注ぐ。彼らは財務も長けているので、海外で運用したりして、国内に循環しない可能性もある。
 その点、零細企業の親父らは、飲み屋で消費するから、おカネの巡りが国内だね。
 ”除染”て、あまり役立つと思わないけど、一つ良いことは、零細土建屋におカネが降り注ぐね。で、人も雇うから、失業対策事業にもなる。
 そんなわけで、一月にコーヒー一杯分ぐらいの負担なら、電気工事屋の親父達を元気にするので、賛成だ。
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