普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

「Japan デビュー」再質問に対するNHKの回答

2009-06-15 15:53:02 | 国際社会

[どう考えともおかしい「Japan デビュー」のタイトル映像]
 私は2回目のNHKへの「Japan デビュー」質問状とBPOで、「JAPANデビュー」のオープニングタイトル映像(1分30秒)の中に、
 何故、台湾問題を報道するのに、全く無関係と思われる、ヒトラーと昭和天皇陛下を並べ、「アウシュビッツのユダヤ人を連想させる写真」、ベトナム戦争時の「米軍ヘリコプターの写真」を並べたのでしょうか?
て書きました。
 それについて、再質問に対するNHKの回答書
が中山成彬さんのホームページに載っていました。
 タイトル映像はサブリミナル手法と何の関係のないものです。
 今回のタイトル映像は、「未来を見通す鍵は歴史の中にある」、「世界の連鎖が歴史を作ってきた」と言うコンセプトに基づき、現近代史の主なできごとや、人物に関する写真、絵画やフイルムなどをほぼ年代順並べ映像化したものです。タイトルの後半部部で写真が舞い上がる表現がありますが、これは150年の歴史を早送りするイメージで、歴史的なできごとや、人物の写真を編集したものです。
いわゆるサブリミナル手法とは、本編と関係ない映像を、通常では知覚できない形で挟みこむことにより、本編の内容と異なる特定の潜在的効果期待するものとされています。
今回のタイトル映像の中に、近現代と関係のない映像は含まれておりません。
 この説明を聞いても判らないことばかりです。
・NHKが言う様に僅か1.5分の間でNHKの考えるコンセプトの「未来を見通す鍵は歴史の中にある」、「世界の連鎖が歴史を作ってきた」を聴取者が理解出来ると思っているのでしょうか
 幾ら良いことを放送しても、相手に理解して貰えなければ、その番組は失敗になることはNHKは始めから承知でこの映像を出したのでしょう。
 まして台湾問題と全く関係の無いヒトラーや、アウシュビッツの虐殺を思わせることを入れたのは、中山さんたちが指摘するように、全く別の意図を人知れず人に植え込むようなサブリミナル効果を持たせる映像を提供したのだとしか思えません。

・私はNHKが「未来を見通す鍵は歴史の中にある」というコンセプトを伝えたいのなら、欧米の列強の植民地で埋めつくされている戦前の世界地図と、昔の植民地が殆ど開放された現在の地図を比較して見せることだと思います。
 日本は遅ればせながら、今回の問題の台湾を始め朝鮮半島、樺太を領有し、満州の権益を獲得しました。
 これはいずれも国際法からも合法的に領有したのですが、関東軍の暴走で満州の権益の拡大、中国との衝突を繰り返し、遂に第二次世界大戦に突入しました。
 そして黄色人種の日本が欧米の列強と戦ったことが、民族自決の動きとなり結果として、世界中の植民地開放となりました。
 そしてその引き金を引いた日本は侵略国家の汚名を着せられました。
 これほど「未来を見通す鍵は歴史の中にある」コンセプトを示すのに、これ程適切な例はないと思うし、日本が未来にどのように向かって行くかという大切な教訓はないと思うのですが。

[インタビューを受けた人達が感じた差別感]
 NHKからインタビューを受けた人達の報道記事の中では、彼らの発言が「編集」されたか否かは論議の別れるところですが、私も彼らと同年代ですので、私なりの考えを聞いてください。
 台湾の歴史年表
から彼らの小中学生時代と思われるころには次のような出来事が並んでいます。
 1940年:改姓名の開始(任意とNHKも言っている)
 1941年:皇民奉公会の発足(皇民化推進)。
 1943年:6年制義務教育実施。
 1944年:日本軍による徴兵制度が発足。台湾住民にも衆議院選挙の選挙権が認められた。
 1945年:大日本帝国が連合国に降伏

 つまり欧米の殆どの植民地で実施しなかった、現地の人達に義務教育を実施し、選挙権を与えたのです。
 そしてその日本の精神的支えになったのが、「八紘一宇」の考え方です。
 つまり天皇陛下を宗主とする一大家族が、みな平等に暮らすと言う考え方を台湾の人達にも進めようとしたのです。
 然し、それは統治者がわの論理で、被統治者の立場から言えば余計なお世話だ、そしてその制度の実施に当たって差別的な扱いに不満がでるのは当然です。
 改姓名などいくら任意でも現地の人達の民族のプライドが傷つくこともあると思います。
 然しその解決には時間が掛かるのです。
 日本の場合も同じでした。
 (若い方は信じられないかも知れませんが)私の父も貧乏で碌に税金も払えないので、選挙権はありませんでしたが、私の物心つくころにやっと選挙権が与えられました。 (ことによると台湾の人達が選挙権を与えられたのと同じ年かも知れません。)
 私たち子供もごく一部の人達が旧制の中学に進めるのに、幾ら勉強が出来ても高等小学校止まりの生徒は多数。
 それが今や「大学全入」、選挙権も18歳まで下げようと言う世の中になっています。
 台湾の場合も改姓名の開始から僅か5年で日本の敗戦にならなければ、現地の人達の差別感は急激に減るはずだったと思います。
 「八紘一宇」の考え方は古くから中国、朝鮮半島からの移民を受け入れ同化した成功体験に基づいているのだと思いますが、台湾、朝鮮の場合は対象が多数で然も短期間に同化しようとしたことに問題があったと思います。
 NHKもこの事実を明らかにしていれば批判も少なかった筈だし、現在から将来にかけての外国人との付き合い方に大きな示唆を与えるものになった筈です。

 そしてタイトル映像に戦前・戦後の世界地図とともに、「八紘一宇」の考え方の表と裏の面も報道すればより国民を考えさせることになったと思います。
 然し事実は中山さん始め議員の人達や、ネット上での批判に晒されている偏った報道になっているのは残念です。

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1 コメント

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普通選挙法 (クマのプータロー)
2009-06-16 10:22:17
日本の全ての成年男子に選挙権が与えられた(普通選挙法制定)のは、1925年だったと承知していますが…。確かイタリアよりは早かったはずです。このときの総理大臣が加藤高明、初の東京帝大卒の総理大臣だったそうです。

実際の法施行がどうなったいてのかは分かりませんが、お父様の年齢にもよるのではないでしょうか。ブログ主さんの物心ついたころと言っても戦前ですよね?
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