川柳くろがね6月号より
前月号鑑賞 小川 清隆 選評
「今日生きた証感謝の一行詩」 河野 成子
一日を大事にして生きる。生きた証として日記をつける。誰に見せるものでない。自分の生きた証に、一日一句の川柳を作って日記の代りにするも乙か。
「今さらと言わず今からペン習字」 角 ひさ子
もう歳だから今さら、と言う。私の教室に大正生まれの人が入って来た。95歳という。耳は少し遠いが矍鑠たる大正人、歳は忘れましたと宣う。これが若さへの秘訣、今からでも遅くない。明日へ向かって挑戦しよう。
「よく弾む毯で時どきずっこける」 八木田風子
よく弾むから転ける。弾まなければ転けることもない。若さは向こう見ずである。年齢は問わない。生きているうちが青春である。大いに弾み大いにずっこけよう。
「階段を駆けおりるまだ大丈夫」 山内まどか
山を登るのは体力、下りるのは技術と言われている。階段も然り。階段を下りる時は体重の五倍ほどの重力がかかる。膝を痛めないようには斜めに歩くと良い。大丈夫と思って無理をしてはいけない。
題詠 「裏」 桜木 山彦 選
・B面に生きた証しの過去がある 桶川 聖柳
・裏表あって大人のお付合い 杉 ちづ子
・裏入学親は金積み子は知らず 堤野 久男
・大声で言えぬ事情に耳が寄る的場しずえ 松井 昌子
・西日射す窓へ蔓バラからませる 的場しず゛え
・にんまりと裏もあるんだトランプ氏 諸井キヨ子
・運動会天気予報に裏切られ 木下美智子
・人情のあふれています路地裏に 吉田ゆたか
・トランプの裏が気を引く一人言 岡田 洋
・自画像に裏の事情は伏せておく 中川あき子
・さすが通裏地に絹をさりげなく 吉田ゆたか
・表見て惚れた貴女にあった裏 安川 聖
佳 句
・裏木戸に女の涙落ちている 安部ももこ
・裏側を知ってますます好きになる 古野つとむ
・滑り込みセーフ足裏には余韻 時津みつこ
・ぎったんばっこ背嚢合わせて遊んだ日 角 ひさ子
・ハイハイの返事に裏が見え隠れ 吉富 廣
・素っ気ない人の優しい裏の顔 有松 市子
・毒舌は拗ねてる愛の裏返し 中山 和
選者吟
・裏口は人の本書が戸を開ける
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前月号鑑賞 小川 清隆 選評
「今日生きた証感謝の一行詩」 河野 成子
一日を大事にして生きる。生きた証として日記をつける。誰に見せるものでない。自分の生きた証に、一日一句の川柳を作って日記の代りにするも乙か。
「今さらと言わず今からペン習字」 角 ひさ子
もう歳だから今さら、と言う。私の教室に大正生まれの人が入って来た。95歳という。耳は少し遠いが矍鑠たる大正人、歳は忘れましたと宣う。これが若さへの秘訣、今からでも遅くない。明日へ向かって挑戦しよう。
「よく弾む毯で時どきずっこける」 八木田風子
よく弾むから転ける。弾まなければ転けることもない。若さは向こう見ずである。年齢は問わない。生きているうちが青春である。大いに弾み大いにずっこけよう。
「階段を駆けおりるまだ大丈夫」 山内まどか
山を登るのは体力、下りるのは技術と言われている。階段も然り。階段を下りる時は体重の五倍ほどの重力がかかる。膝を痛めないようには斜めに歩くと良い。大丈夫と思って無理をしてはいけない。
題詠 「裏」 桜木 山彦 選
・B面に生きた証しの過去がある 桶川 聖柳
・裏表あって大人のお付合い 杉 ちづ子
・裏入学親は金積み子は知らず 堤野 久男
・大声で言えぬ事情に耳が寄る的場しずえ 松井 昌子
・西日射す窓へ蔓バラからませる 的場しず゛え
・にんまりと裏もあるんだトランプ氏 諸井キヨ子
・運動会天気予報に裏切られ 木下美智子
・人情のあふれています路地裏に 吉田ゆたか
・トランプの裏が気を引く一人言 岡田 洋
・自画像に裏の事情は伏せておく 中川あき子
・さすが通裏地に絹をさりげなく 吉田ゆたか
・表見て惚れた貴女にあった裏 安川 聖
佳 句
・裏木戸に女の涙落ちている 安部ももこ
・裏側を知ってますます好きになる 古野つとむ
・滑り込みセーフ足裏には余韻 時津みつこ
・ぎったんばっこ背嚢合わせて遊んだ日 角 ひさ子
・ハイハイの返事に裏が見え隠れ 吉富 廣
・素っ気ない人の優しい裏の顔 有松 市子
・毒舌は拗ねてる愛の裏返し 中山 和
選者吟
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