普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

「報道ステーション」の風力発電の偏向報道?

2012-09-22 09:10:06 | 電力、原発

・地形、エネルギー環境、経済環境の全く違うドイツと日本の違いを無視した放送・風力発電の良い所ばかり放送し問題点を隠すテレ朝・ドイツに大調査団を送るべき
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一昨夜の「報道ステーション」でドイツの再生エネルギーの様子を放送していました。 (括弧内は私のテレビを見ながの感想)
・電力の自由化と発送電分離
・同じ電気を使うのなら再生エネルギー発電をしている電力会社の電気を買うと言う一家庭での話。 (日本の家庭でも多分同じことを言うと思うのだが、電力使用量のケタ違いに多い企業の経営者の言い分を何故訊かないの?)
・広々とした平地に巨大な風力発電所(日本にこのような広々として土地が取れるの?)
・海上で操業している多く風力発電の羽根車(ドイツの沿岸は大陸棚で出来るので日本のように深い海で出来るのか?)
・発電所の設備の政策と運転をしているシーメンス。ドイツの方針に従って原発を止め、火力発電と風力を中心とする再生エネルギー発電に切り換えたドイツの巨大企業のシーメンス、製作中の大型のガスタービンのローター(羽根車)。
・コメンテーター:「ドイツはみどりの党の反対など再生エネルギー利用の50年の永い歴史があるので、首相が原発ゼロを打ち出せたのだろう」
・古館さん:「日本は原発の大事故を経験したのに何故直ぐにでも原発ゼロに出来ないのか」
 この様子をテレビを見ていて、太陽光に就いてはドイツの政策は曲がり角に来ていると言う話がマスコミやネット上で知られているので、テレビ放送の線にそって風力発電の問題点を中心に私なりに調べてみました。
電力の80%を再生可能エネルギーに ドイツの挑戦、研究現場を訪ねる (日本経済新聞より)
 ドイツではすでに、再生可能エネルギーが電力の16%(09年)を賄っている。その4割は風力発電が供給し、ドイツの再生可能エネルギーの屋台骨を支える。一段の増強を目指し、北海やバルト海の洋上に大規模な風力発電所の建設を計画している。
・ヴォルケン・メールマン博士: 「洋上は地上に比べて、風力発電の環境条件が厳しい。風向や風力など風の条件は、陸上と同様に発電所の立地を決めるうえで最も大事な自然条件だが、洋上の場合、加えて海底地形や海流、波の条件がある。バルト海に建設するなら海氷も考慮に入れなくてはならない」
 北海やバルト海の海底は大陸棚になっています。
 日本の場合は直立式の風車が建てられるところは、素人考えですが日本海の北海道沿岸などごく限られた所で、その他は水深や地形の関係で直立式の風力発電でなくて浮体式の風力発電が中心になるようで、大学などの研究対象になっているようですが、実用化も大変ですし、直立式に比べて経済面から発電容量が限られてきます。
 そうかと言って瀬戸内海、有明海のような狭い場所では問題が大きすぎます。
 一方陸地では日本の75%が山地(ドイツは地図でみた所では30~40%)、然も雨が多くて浸食は避けられません。
 下記の山地での風力発電の起こした惨状をご覧下さい。
白滝山の惨状(2): 日本に巨大風車はいらない
写道 : 白滝山 風力発電
  現在は風車は日本の全体の25%の平地と台地に主として建てられていますが、近くに耕作地、住宅地があるときは風車から生じる低周波の障害があり、設置できるところは非常に限られています。 (Wikipedia によると日本国内の風力発電(出力10kW以上)の累計導入量は2007年3月時点で約1400基、総設備容量は約168万kWであり[100]、発電量は標準的な原発(100万kW前後)の数分の1である。と書かれています。)
 平地の大きいドイツでさえも上記の資料に「ドイツで最初の洋上風力発電所は北海の沖合約45キロにあり12機の風車からなる。沖合であるほど風は強く、大きなエネルギーが得られる。その半面、環境条件は厳しくなるが、洋上を開発していかなければ、風力を主体に再生可能エネルギーを拡大する政府の計画は実現が困難だろう」と書いています。
 日本でも言えば風力発電で原発の代用は洋上風力発電がどれだけできるか否かにかかっているのでしょう。
 なお再生エネルギー全体の問題としても、ドイツは全体の45%の自前の石炭を持ち、良く言われるように万一の時は他国からの輸入でも頼ることも出来ます。
 化石燃料100%は外国頼り、地形的に完全に孤立している日本と全く違います。
 経済もEUの経済圏で有利な立場に立つドイツと、中国の影響をもろに受け貧困化が進む日本のどちらがエネルギー問題を含む慎重な経済運営を迫られているのは明らかです。
 「報道ステーション」は勿論嘘の報道をしたとは思いません。
  然し自社の都合の良い画像だけ取り上げて、その風力発電の問題点を取り上げず、キャスターの古館さんが「日本は原発の大事故を経験したのに何故直ぐにでも原発ゼロに出来ないのか」と報道を締めるのは偏向報道だと思いませんか。
いずれにしても朝日新聞系の報道は自社の主張に忠実なので、その積りで見るしかありません。
それにしても日本のというか民主党政府の2030年代に原発ゼロのエネルギー政策は発表して直ぐにボロがポロポロ出ています。
 私はリスクが余りにも大きすぎる今回の決定に就いて、政府は反原発の人達が模範にしているドイツへ専門家の大調査団(今までの学者達でなくて三菱、東芝、日立、川崎、電力会社の人達の本当の専門家)を送って詳細なフィージビリティ・スタディをして、日本でも太陽光や風力発電が物になるか否か、ドイツの何処が参考になるかを調べて貰ったらと思うのですが。 

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3 コメント

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そのとおり (咲とその夫)
2012-09-22 10:43:08
 貴ブログに掲載の通りです。
 報道ステーションは、朝日新聞系列のためかなり偏った報道が多すぎます。

 以前も、あまりにも偏った発言の多い古館キャスターに意見のメールを送信しました。

 もっとも、馬耳東風でありますけど。

 いい内容のブログでした。これからも頑張ってください。
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報道ステーション (自由人)
2012-09-23 13:07:16
仰る通りです。
ドイツ、イタリアは脱原発と言われていますが、原発大国フランスから電力を購入しています。
自分の手を汚さないというだけで、決して脱原発ではありません。世界で本当に脱原発の国はありません。
だまされないようにしたいものです。
アジアでは、韓国、中国、インドも原発推進です。
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全く同感です。 (マス)
2012-11-30 11:31:30
古館さんをはじめ、原発反対なのは構いません。しかしながらそれをサラリーマンの大半が情報を取得する22時代に押し出しすぎです。
報道ステーションがまずいのは福島の被害状況や第三のエネルギーの良い面ばかり伝え、潜在意識下において原発=悪=ゼロにすべきという意識を植え込もうとすることではないでしょうか。マスメディアのおよぼす社会的影響を踏まえた上での報道をすべきだと思います。原発のメリットを全く説明せず、第三エネルギーのよいところだけ報道する。こんなことが正しいのでしょうか?
ドイツの太陽光発電固定買取は窮地に陥りつつあり、電気料金値上げで国民は不満を抱えています。そのようなことをどれだけの国民が知っているのでしょうか。

報道ステーションはひどすぎます。何か一緒に行動を起こしませんか?
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