普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

政府の「原発事故調査・検証委員会」は何をしているのか

2011-10-24 15:53:54 | 電力、原発

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[おかしな政府の「事故調査・検証委員会」の動き]
私は同委員会の組織や動きについて最初から首をひねって居ましたが、最近すっかり影を潜めたようです。
・6月7日:第1回会合:委員会メンバー発表
 検証の焦点は〈1〉政府と東電の初動対応〈2〉政府による避難指示 菅さんが発足させた福島第一原発「事故調査・検証委員会」には最初など被害の拡大防止策〈3〉これまでの原子力行政のあり方――など
・7月8日、都内で2回目の会合を開き、事故調を構成する各チームの調査・検証項目を決めた。 「事故原因等調査チーム」は事故後の対応に主眼を置き、原発のベント(排気)作業などの対処や意思決定の実態解明に乗り出す。
 次回会合は9月27日を予定している
・7月18日:新潟県知事の「福島原発の事故原因の検証がないので柏崎原発再稼働の要請は論外」と委員会の「研修の焦点」とまったく違う発言
 そして今日は10月24日です。
 インターネットで前記委員会の動きを調べて見ましたがどのようのキーワードで検索しても出てきません。
 私の検索技術の未熟なのか、同委員会が眠っているのか、或いは菅さんが辞めたので士気が喪失したのか、或いはマスコミが報道価値がないとして報道しないのか?
[福島第一の事故の直接原因究明の必要性]
 世の中の大勢は今後の原発対策は、経済に大きな影響を与えないように少しづつ縮小の方針で落ち着いているようで、野田さんもその考え方のようです。 (私は下記の理由である程度の原発は維持すべきだと思っていますが。)
 だからこの儘でいけば後半年も経たない内に原発が止まったらどうなるのか?
 円高で今まで日本を支えてきた製造業が円高に加えて、電力量不足の恐れや、電気料金の高騰で海外に流出、雇用の減少を防ぐために慎重にも慎重な配慮が要るのではないか?
 長期的な視野でみれば、いずれ枯渇すると判っている化石燃料がなくなれば、再生エネルギーで代替え出来ないのではないか?そのときに慌てふためくのではないか?
 何よりも第一に、大気圧から1000気圧に及ぶ高圧ガス設備の保全をした私の経験から言えば事故を起こしたら総てお終いと言うことが言えます。
 増してそれ以上の危険な原発は絶対に事故を起こしてはいけないのです。
 以上のどの理由を考えても、今の原発を安全に運転するにはどうすれば良いかに、最重点を置くべきは、上記の新潟県知事はじめ関係の首長がいうように、「事故原因等調査チーム」が第一にやらねばならぬのは福島第一の事故の発生の直接原因を調べるべきで、事故後の対応も大切ですがあくまでも二次的な問題です。
[福島第一の責任者の事故原因の分析]
 前に書いたように政府の事故調査・検証委員会の記事を探しているときに福島第一原発の建設と運転開始を原子力部長代理として陣頭指揮した豊田正敏・元東京電力副社長(原子力本部長、工学博士)のインタビュー記事がありましたので紹介します。
*事故の原因と対策
・外部電源の喪失:東北電力からの60kV送電線の鉄塔が壊れるとともに短絡事故が発生し、原発が長期間停電した→外部電源の二重化 (女川は複数電源)
・ディーゼル発電機の配置ミス:予備電源であるディーゼル発電機がタービン建家に置いてあれ、建家ごと津波で流された→福島第二のように原子炉建屋に置く。
・小さすぎたバッテリー容量:バッテリーが8時間しか持たなかった。このため各種センサーがすぐに機能を停止し、制御室が盲目状態になった結果、水素爆発を防げなかった→バッテリー容量を大きくする。
・残余リスクの軽視:津波が想定以上の大きさであった場合もそれに対応するよう、原子力安全委員会が平成18年9月19日の発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針で示した「残余のリスク」の考え方を軽視した→対策として書いていない。
・司令塔の欠如: 現地の吉田昌郎・発電所所長に対し、東電本社、官邸、安全保安院の三者が会議をして指示を出す体制だった。これが迅速な対応を遅らせた→いざという時の司令塔は現場の発電所長であり、東京の原子力本部長はこれを全面的にバックアップするのが当たりだ。

 緊急電源設備が福島第二では原子炉建屋にあったのに第一ではタービン建屋にあったこと、外部電源が一系統しかなかったのは、私の想像通り、残余リスクの問題は、東電から15m近くの津波の試算結果を自らでした原子力安全保安院に提示してそのままになったことなどが判っています。
[おかしな原発を巡る日本の動き]
・しかし肝心の責任者の発言の報道が何故ネット上に留まっているのでしょうか。
・上記以外のことでも福島第一が日本最古またはそれに近いものであること。
 当然に技術の進歩に伴って設備やその材料の改善がなされべきだがそれがなされたのかなどが何も報道されていません。(私は豊田さんの指摘した組織の問題で、現場からの当然にでると思われる改善提案のかなりの部分が、本店から拒否されたと思っていますが、この問題の調査も大切だと思っています。)
・菅さん始め政府、原子力安全委員会、原子力安全保安院の責任の追求、放射能汚染の影響の報道ばかり、そして最近は九州電力と佐賀県知事のやらせの報道ばかり。
 しかもその対象が、日本で有数な地震、津波の影響の小さいと思われる玄海原発です。
・政府の事故調査・検証委員会は震災後7カ月経っても何をしているか判らない。 国会の調査委員会は臨時国会を開いて後で早くとも11月からの活動。
・日本の円高、大震災、デフレの三重苦のなかで製造業を中心とする経済運営を間違えればとんでもないことになるかも知れない。
・原子力利用を原爆に結びつける共産、社民の左派勢力の活動。
・拡がる反原発ムード。そしてムードに弱い日本人。
 私は福島第一の事故が、同原発に限った事故であっては困るかのように、日本全体が動いているようにしか見えないのですが。
 少なくとも同じ条件の中で女川や同じ東電の福島第二が無事停止したのに。
 前向きに考えれば、福島第一の事故の原因を早く究明して、他の原発の設備、運転、保全の状況と比較し、直す所は直す、その可能性のない原発は永久に止めるか建て直すしかないと思うのが常識と思うのですが、何故日本ではこの常識的な進め方が通らないのでしょう。

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2 コメント

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Unknown (飯より電気)
2011-10-25 19:47:44

飯も電気がなけりゃ食えんぜよ。

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電気より飯。 (にゃん太)
2011-10-25 00:08:03
結局、原発は国土を汚したので駄目なんだとおもいます。核融合式の原発の登場を待ちましょう。僕から言わせれば電気より、飯です。サンマも食えんとは!食い物の、恨みでしょう。早い話が。
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