普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

TPP論議の不思議

2011-10-14 16:16:35 | 政策、社会情勢
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 私の尊敬する「中韓を知り過ぎた男」さんのブログで、日米は相互依存の関係にあること、安全保障の面から考えて、TPP問題でも「日本が同盟国アメリカの言い分に少しは妥協する必要があるのではないか」と言う意見に対して、今朝現在で164件のコメント、それも彼に対して珍しく多くの反対の意見が寄せられていました。
 それで私が見たTPPの報道の中で不思議に思ったことを纏めてみました。
[はっきりしていること]
・韓国は既にEUとFTAを結んでいるほか、米・韓のFTA交渉が成立の可能性が高くなり、韓国のウォン安政策に加えて、米国の関税撤廃で日本の輸出産業に大きな打撃を受けること
 韓国は輸入農産品に課している関税を原則撤廃する代わりに、国内農業力の強化や所得安定策のために約9兆円の対策について国内の合意を得ている。
・日本の製造業に比べて生産効率が遥かに落ちる農業で生計を建てている農家が、製造業に従事する人達並みの生計を立てているのは、製造業の生産のお蔭もある程度ある。
・日本の円高の原因の一つは、リーマンショックの影響が世界の金融機関に比して少なかったことだ。
・日本の製造業を中心とする所謂産業の空洞化が止まらない。
・日本経済の飛躍的な成長は殆ど期待できない。
・TPPは米国やオーストラリアなど9カ国が交渉しているが「実質的には日米TPP」と指摘されている。
・オバマ大統領は来年の大統領選に向け、「輸出拡大による雇用創出」を強くアピールしたい意向で、日本にも交渉参加を強く促している。
[判らないこと]
・Wikipediaに依るとTPPの連携協定の対象として、工業製品、農産物、繊維・衣料品の関税撤廃は判るし、貿易の技術的障害の解決や貿易紛争の解決の目的はほぼ想像がつくが、金融、電子取引、電気通信などのサービス、公共事業や物品などの政府調達方法、技術の特許、商標などの知的財産権、投資のルール、衛生・検疫、労働規制や環境規制の調和などは、参加国の国情や今までの経緯などあり、現在の主唱者の米国の思い通りにはならないような気がするし、日本として譲れない所が多いような気がするのだが、その説明が何もない。
・今回出されたTPP問答集では、医療・保険、外国人専門家、労働市場などの例を上げているだけ、しかもその説明としてFTAの例を上げたり、医療保険への営利企業の流入や単純労働者の流入など議論の対象外と説明しているが、現実問題として米国か何か言って競うな気がするがその圧力に抵抗できるだろうか? (私は今回のTPPの議論では農業問題に加えて金融機関の参入の問題も大きいと思うのですが、説明が何もないのは何故でしょう。)
・米国主導のやり方は小泉さんの米国一本槍のやり方や、年次改革要望書の報道を見ている人達に強いアレルギーがあり、TPP反対の大きな理由になっていると思うが、今の日本政府で国の立場を堂々と主張できるか?
 しかも米国や関係国である程度計画が進行しているときに、話をひっくり返すことが出来るか?
・私は小泉さん時代は安全保障も商売相手としても米国に頼るしかなかつたが、少なくとも商売では中国、インド、東南アジアなどに貿易の比重が移っている今こそ、日本の立場を主張できると思うのだが、果たして?
・農業関係の人達はTPP反対なら、製造業の空洞化、雇用の減少など政府の責任と言わずに、どうすれば良いかの対案を出すべきと思うのだが出せるか?  (私は対案を出さない反対論は軽視または無視する方が議論が深まるような気がするのですが。農村問題はTPP抜きでも後十数年で限界に達すると言われているので農業団体の人達はもっと真剣に考える必要があると思うのですが。)
・金融問題や投資のルールの在り方では、米国では住宅バブルの処理で大失敗した一方、日本の金融機関だけはその被害を最小限に留めた。その実情を背景にして、日本としては米国をリードする位の気概がいると思うのだが、果たして? (昨日の「米国人が見た米国の若者の運動と日本」で著者が米国の金融機関をボロカスに批判しているのを見ても、ヘッジファンド対策が絶対必要だと思いますし、参加予定国でも賛成してくれるとおもうのですが。金融資本に大きく頼っている米国はごり押しをしそうなことに成りそうですが。)
・米国流のそして米国にとって一番都合がよいグローバリズムのように見えるTPPに乗せられず、韓国のように農産物や工業製品に絞ったFTA推進できないのか、いや出来なかったのか? (私流の解釈では面倒なことは先送りにする「そのば凌ぎの政治」でもう手遅れ気味ですがなんとかならないのですかね。)
 私はどう言う交渉になろうとも、優秀な外国人の導入はしても、低賃金の労働者の導入、コントロールの効かないヘッジファンドなどの米国流の金融システムの導入などで荒らされるなどは反対です。
 然し全体的に言って、全容も判らずに、そして難しい判断を迫られる、経済の専門家でも明快な答えの出せないTPPの是非など判りません。
 ただ私の願いとしては、せめて日本にも長期的な視野と戦略を持つ指導者の出現と、TPPに参入するのなら米国を相手に、日本の利益のために一歩も退かないタフ・ネゴシエイターの出現を期待したいのですが。 
 多分私の夢のような希望でしょうね。

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4 コメント

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サンフランシスコ講和条約で東京裁判は否定されなかった (フクシマの瀬戸の桃)
2011-10-14 20:03:43
民主党の前原誠司政調会長は13日の記者会見で、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加
問題について「世界ナンバーワンの経済大国である米国と経済連携を結んでいくかが極めて
重要なテーマだ」と述べた。日米連携強化の観点からTPP参加が必要との認識を示した。

米上下両院が韓国との自由貿易協定(FTA)の実施法案を可決したことに関しては「(日本製品の)
競争力低下に危惧を持たざるを得ない」と指摘した。岡田克也前幹事長も講演で「思い切って
国を開かないと、日本は終わりだ。背を向けた議論は将来を閉ざしてしまう」と強調した。

政府・民主党は11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までにTPP交渉参加問題で
方向性を出す予定。

「TPPを慎重に考える会」の会長を務める山田正彦前農相は13日、民主党の輿石東幹事長に会い、
交渉参加に慎重な対応を求める署名が191人に達したことを伝えた。

党内に設けたTPPに関するプロジェクトチーム(PT)の役員構成を改めるよう要望。役員には
TPP推進派が多いとして「公平な議論ができない。メンバーを推進派と慎重派と半々にすべきだ」と求めた。

▽ソース:日本経済新聞 2011/10/13 19:30
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819481E3E1E2E0828DE3E1E3E2E0E2E3E38297EAE2E2E2;at=DGXZZO0195166008122009000000
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Unknown (同じく)
2011-10-15 02:16:22
私はもともとTPPに賛成でしたが、三橋貴明氏のブログでわからなくなりました。彼の言い分は数字を挙げて説明しろ!に尽きるでしょう。輸出産業への打撃なども数字を挙げて議論してほしいものです。
テレビで議論されないのが大変不満です。
返信する
新しい形の貿易のかたち、合法的な経済植民地 (Unknown)
2011-10-15 13:04:09
>フクシマの瀬戸の桃

もっと歴史を学べよ。
サンフランシスコ講和条約も知らないのか。
よほど瀬戸氏が怖いのね。

>ブログ主

韓国とアメリカが結んだFTAの中身をご存じですか?
三橋氏のブログ
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11047464542.html

韓国とアメリカの間のFTAは、この時世において、韓国がアメリカの経済植民地にされるということが本質です。韓国の野党が大反対をしていて批准されるかどうか微妙でしょう。

TPPはこの延長で議論されるべきです。
亀井氏のいっていることが的を得ていると思います。


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Unknown (誠に残念ながら)
2011-10-16 15:50:31
そもそも、普段日本株式会社を普段提唱している
ブログ主様に置かれましてはTPPは
反対するのが、筋と思います。

私個人は、TPPに参加できないようなら、日本には遅かれ早かれ衰退の道以外無いと思っておりますが・・・
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