春は人事の季節。悲喜こもごもである。
サラリーマンにとって転勤は宿命というが、裁判所に勤める娘も4月に入ると初めての土地に赴任することが決まったようだ。熊本から約150キロ離れたところ、新幹線を使い、2時間近くかけて通勤する予定だといっている。
娘の家族は娘婿と孫の3人だが、3人はそれぞれ離れたところで暮らしている。
娘婿は人吉に単身赴任。孫は京都の大学。娘婿は次の異動で熊本に帰ってくるだろうと心待ちしていたようだが、その代償というか入れ替わるように娘が遠くに転勤になる。
振り返れば私も現役時代に何度転勤を経験したことだろう。
思えば、昭和39年の東京オリンピックの年に結婚し、皆様のおかげで今年金婚式を迎えることとなるが、その間13回の引っ越しを経験した。
全く知らない土地で、新しい職場の同僚達とのお付き合い。土地の人達との触れ合いなど、数数の苦労を、昨日のことのように思い出す。それよりもむしろ、知らない土地で暮らす家族の方がもっと大変だっただろう。
娘は幼稚園、小学校、中学、高校と、それぞれ1回の転校を繰り返した。仕事に追われよくは覚えていないが、今、大きな問題となっているいじめにも何度かあったようだ。
苦労も多いだろうが、一方、転勤は知らない土地を回り、新しい知識を得、多くの人と語り、触れあうことが出来る、素晴らしい官費旅行でもある。
娘はまた何年かあとには、熊本に帰ってくることでしょう。通勤は辛いだろうが、身体には十分注意してください。
新しい知らない土地で沢山の思い出をつくってきてくださいね。