招かざるお客PM2・5が近畿や北陸などの空を覆った。町は白くかすみシルエットだけが浮かび上がった風景には、不気味ささえ感じられた。
大阪を含む近畿、中国、北陸どの17府県では、PM2・5の数値が国の暫定基準値(1㎥70マイクログラム)を超えたため、注意喚起情報が発令された。100マイクログラムを超えた地点もある。
PM2・5は大気中に浮遊する直径2・5マイクロメートル以下の物質を指し、環境省によると、①焼却炉などで物が燃焼することによって排出されるもの②窒素酸化物などのガスが、大気中で光やオゾンと反応して生成されるものがあり、吸い込むと肺の奥まで入りやすく、ぜんそくといった呼吸器系の病気などに大きな影響があるといわれる。
海の向こうの中国では、工場の煙や車の排ガスなどから生まれる微小粒子状物質PM2・5による大気汚染が春節以降もずっと続き深刻な状況となっている。
よそ事ではない。日本でも3月から5月にかけて濃度が上がる傾向があり、九州地方ではたびたび注意喚起情報が出されていた。その発生源は中国といわれるが、今回のように規模も大きく全国の空を覆ったのは初めてのこと。
対策としてマスクや空気清浄機が頭に浮かぶが、注意点は何だろう。 PM2・5は、空気中に浮かんでいる粒子のなかで2・5マイクロメートル以下のものを呼び、髪の毛の太さの30分の1ぐらいだという。吸い込むと肺の奥まで達しやすいとされ、危険極まりない。
注意喚起情報が出された時は、できるだけ外出を控える。戸外でのスポーツは避ける。洗濯物などを外に干さない。外からの空気の出入りをできるだけ少なくするなどの、対策を採ることとなるが、要は、日常生活の中で各人が十分な注意を払うことだ。
PM2・5の情報は各地の自治体が毎日行っている。この活用も大切なことだろう。