庭の木にとまったうぐいすのまだつたない鳴き声がホッケホッケと聞こえてくる。阿蘇地方では雉の初鳴きを聞いたという。本格的な春の訪れを告げる雉の初鳴き。鳥たちの声を聞くとすっかり気が和む。
阿蘇の風物詩。阿蘇の草原に春の訪れを告げる野焼きが23日から始まった。
高さ50センチほどの枯れたススキに火が付けられると、火はバチバチと音をたて、辺りを黒く焼き尽くしながら、雪の残る外輪山の山肌を勢いよく駆け上る。
壮観この上ない。阿蘇の景観を守るためにはかかせない、草原維持のための大切な行事だ。
野焼きは、枯れた草を焼き払い、害虫駆除と芽吹きを促すために阿蘇郡市の約1万6千ヘクタールで毎年実施されている。しかし、近年は、高齢化による人手不足が深刻となっている。野焼きを続けるかいなかと迷う牧草組合もあるそうだ。野焼きは重労働。作業の一部を素人の「野焼き支援ボランティア」に頼らざるを得ない現状がある。ご苦労さま。
ボランティアに頼る作業は危険も伴う。1昨年ボランティアとして参加した、現役時代に一緒の会社に勤めていた同僚が火に巻き込まれて死亡した
高所、足場の悪い場所での危険な作業。観光客には壮観とうつる野焼きだが、危険と隣り合わせ。安全には十分気を付けてくださいね。
阿蘇五岳を背景に、野焼きの後に小さな草花が青い芽を吹く。壮大な阿蘇の高原を散策できる日を楽しみに待っています。