NHKBSの、火野正平さんが自転車で全国各地をまわる「にっぽん縦断こころ旅」。楽しい番組だ。訪れるのは視聴者から寄せられる心の風景、思い出の地。今日は鹿児島から。
火野さん一行は、12歳の少女の心の風景〝たのかんさー”を訪ねていちき串木野市へ向かった。〝たのかんさー”はたんぼの神様”。薩摩地方では田の畔(アゼ)などに手作りの 〝たのかんさー”が、数は少なくなったもののいくつも見られる。
いちき串木野市は漁業の町、さつま揚げ発祥の地でもある。火野さんは焼き飯、伴走者は名物のマグロラーメンで朝食をとっていた。
昨年1月、鹿児島市立美術館の「田中一村展」を見るため鹿児島へ出かけたことを思い出した。田中一村は奄美大島の自然を愛し、その植物や鳥を鋭い画力で力強く繊細な花鳥画に描いた日本画家。
久しぶりの旅、鹿児島まで観光列車に乗った。熊本~吉松までは肥薩線、蒸気機関車の引く「人吉号」で熊本から人吉へ。
人吉~吉松は「いさぶろう・しんぺい号」。吉松~隼人~鹿児島は吉都線と日豊線を走る、特急「隼人の風」。
「いさぶろう・しんぺい号」が肥薩線矢岳駅と真幸駅の間で一時停車した。そこは日本の鉄道3大車窓の一つ「えびの高原と霧島連峰」。雄大なその景色をゆっくりと堪能させてくれるためだった。
真幸駅のホームに〝たのかんさー”が座っていた。 えもいえぬなんと素朴な明るくそして笑顔の〝たのかんさー”だ。
新幹線の時代、それに比べ鹿児島まで時間はかかるが、なんと楽しいローカル線の旅だったろう。過ぎ去った旅を思い出させてくれた今朝の「にっぽん縦断こころ旅」。ありがとうございました。