4月8日は、お釈迦さまの生誕をお祝いする「花まつり」の日です。お釈迦さまは、今 からおよそ2500年前、現在のインド国境に近いネパールの地、ルンビニーの花園でお 生まれになりました。
この日、熊本県八代市泉町柿迫にある天台宗のお寺「釈迦院(しゃかいん)、山号は金海山(きんかいざん)」では、生誕を祝う仏教行事「灌仏会(かんぶつえ)」が盛大に行われます。各地からの多くの参拝者で境内はあふれるばかりです。
参拝者はお釈迦さまの像に甘茶を注ぎ、甘茶をいただきます。甘茶は文字通り「甘い」お茶で、古くから生薬 としても知られ、甘いだけでなくさまざまな効能があるといわれます。
釈迦院は、その名のとおり山の上にあります。八代市ですが、市内からはほど遠く、平家落人の里と呼ばれる、九州山地の奥深い位置に点在する五家荘(ごかのしょう)にあります。
交通不便なことは言うまでもなく、八代からは車で行くこともできますが、反対側の熊本県美里町からのお参りは歩いてしかお参りできませんでした。美里町側からの参道は中世以来の表参道だったそうです。
ご存じとは思いますが、美里町には3,333段の日本一の石段(釈迦院御坂遊歩道)があります。昔の釈迦院詣では、美里町(当時は年禰村)から約3時間をかけて山道を登ったそうです。
石段は1988年(昭和63年)、 当時熊本県知事であった細川護熙さんの「日本一づくり運動」に呼応し、それまでの羽黒山 ( 山形県)の石段を抜くとして整備されました。この石段、健脚な人なら30分近くで登り切ることができます。登り切って100㍍も歩けば釈迦院です。釈迦院詣でも随分と便利になったものです。
実をいうと〝うちの奥さま”の里は、美里町です。お正月など、里帰りのつど何度か石段に挑戦したのですが、上りはどうにか大丈夫ですが、下りは大変でした。足はガクガク、腰の痛みは大変なものでした。いつかは、もう、1度挑戦してみたいと思うのですが、寄る年波には勝てないようです。
熊本城の吉野桜も、春の嵐で葉桜ばかりになりました。日本一の石段(釈迦院御坂遊歩道)の挑戦は無理だとしても、近くの立田山なら大丈夫。立田山には枝垂れサクラがたくさんあります。遅くなりましたが美しい枝垂れさくらにお会いすることができないか。 願っています。