雨が降りつづいている。揺れの大きな地震が絶えまなく今も続いている。避難所で避難されている方のことが気になってしようがない。行方不明者の捜索も土砂災害の恐れもあり、困難を極めているようだ。
午前4時過ぎに家が大きく揺れた。熊本地方に震度4の地震があったとテレビに出た。
14日に発生した最初の地震からの震度1以上の地震は850回を超えたという。NHKテレビでは震度1以上の地震が発生すると、間をおかず発生のニュースを流していたが、あまりにも多発する地震に手を焼いたのか、震度3以上の地震だけの発表に変更となったようだ。
地震活動は今も活発で、震度5以上の地震がいつどこで起きてもおかしくないと、警戒を呼び掛けている。ところがこれほどたくさんの地震が引き続くと感性が鈍くなってくる。慣れというのだろうか。強い揺れが来ても、ああ、またかという気になりその場で過ごすことがある。震度1や2、さらには3になっても悠然としていることがある。考えるとこれほど怖いことはない。
地震発生から1週間が過ぎた。近隣のみなさまのご親切で、この1週間どうやら凌ぐことができた飲み水と食料品だが、我が家の冷蔵庫も日1日と寂しくなってきた。心配でならない。
娘夫婦から買い物に連れて行くと連絡があった。娘のところから我が家までは車で15分くらいだが、なかなか迎えに来ない。いたるところで道路に亀裂や陥没があり、渋滞もあって、いつもの道とは違ったところを通ったため遅くなったそうだ。
娘夫婦と連れ立ち市内中心部に買い物に出発。市内中心部にでるのは震災後初めてのこと。車の窓越しから初めて見る地震の被災状況には目を覆いたくなった。
天下の名城熊本城の天守閣。震災前の面影は全くない。お城の石垣は何カ所も崩れ、重要文化財の長塀も倒れている。ホテルキャッスルの各階の壁には数え切れないほどのX字のき裂があり、玄関はしめられている。崩壊した家や倒れ掛かった家、すべての屋根瓦がずり落ちた家などが、数多くみられる。1階がつぶれたビルもある。
我が家が食器や家具が散乱した程度のわずかな被害だったことを考えると、今見る被災の状況はまさに夢のようだ。益城町や南阿蘇村の被害は知る限りもっとひどい。
駅近くのスーパーが、被害にあいながらも、店の一部を開いていた。新鮮な野菜や鶏肉などが並んでいる。必要な品はどうやらそこで揃えることができた。しばらくは飲み水も食料もやっと一息つける。避難されている方々には申し訳ないが、この幸せを感謝した。
あとはただ、これ以上大きな地震が起こらないことを願うばかりだ。