昨夜の地震には驚いた。驚いたというより恐怖が先にたった。どうすればよい。
午後9時26分に発生した大地震。突き上げる大きな音とともに縦揺れがあり、続いて猛烈な横揺れがきた。寝ていたベットから体が浮き上がり、立つことも歩くこともできない。家具の倒れる音、物の落ちる音、まるで交響曲を聞く感じ。
20秒くらいは続いただろうか。やっと収まったが、部屋の中はガラスや陶器の破片で歩くこともできない。家具は倒れ、本やお人形、おもちゃなど、食器類も床の上に投げ出され、満足な姿をしたものは全く見れない。まさに落花狼藉の体。幸い電気や水道は止まっていない。
テレビをつけた。熊本地方に震度7の地震があったと緊急放送が流れている。さらにテレビは「これからも震度6以上の余震が1週間くらいは続くので厳重な注意を」と何回も呼びかけている。
その間にも余震は絶え間なく続いた。午前1時までの震度4以上の余震は30回を超える。それ以下の余震は計算のしようもない。今朝になっても頻繁に余震が続いている。
被害の大きかったのは、熊本市の隣にある益城町。多数の家屋が倒壊し、死者は現在9人。また、心肺停止や傷を負って病院に運ばれた人は800名を超えるそうだ。火災も10件以上発生している。
避難所には益城町を含め4万人を超える人たちが避難した。強い余震がつづくため屋内には、入れずグランドで夜を過ごしたそうだ。グランドにはブルーシートが敷いてあるが、シートに座れない人がたくさん出ているという。その夜の気温は約10℃、集まった人たちがかたまって、肩を寄せ合って寒さをしのいだそうだ。
発生が夜だったにもかかわらず自衛隊や海上保安庁、警察、役場などが支援体制をとるのは早かった。称賛したい。
熊本市内でも大きな被害が出た。壁の崩れ落ちたビルも多く、倒壊の恐れがあるビルも見られる。熊本観光のシンボル熊本城の被害も大きい。天守閣の瓦がずり落ち、堅固な石垣も何カ所かで崩れた。楽しみに外国から訪れる観光客も瓦のずり落ちたお城を眺めさぞかし嘆くことではなかろうか。
震度7を超える地震は、熊本の気象観測史上では初めて。このような震度7以上の大地震、何度か聞いたことがあるが、自分が経験したのは初めて。今回のように余震が切れ目なく何回もつづことは、気象庁の観測でも珍しいことだという。
絶え間なく続く震度4以上の余震は、地震発生から午後2時現在までに148回を数えたという。
被害にあわれた方々には誠に申し訳ないことだが、幸いと言おうか我が家の被害は軽微で済んだ。だが、絶え間なくたびたび起きる余震には悩まされる。揺れの大きい震度4以上の地震には身がすくむのだが、小さな余震にはまたかと、だんだんと慣れてきて、気にかからなくなってきた。慣れとは怖いものだ。