14日に発生した熊本地震、4日たつたが余震は一向に収まらない。16日午後4時までに起きた震度3以上の地震は480回を超えたという。身体に感じない地震まで含めるとその数はさらに膨らむ。気の遠くなる数字だ。気象庁の発表では、1週間以内にまた震度6強の余震があるという。地震が起こるたびに身が縮む。緊張の連続だ。今、緊急地震情報が出た。慌てて家を飛び出した。
熊本、大分両県の避難者は20万人を超える。避難所に入れない人もたくさんいる。比較的安全と車の中で過ごす人もいる。相次ぐ地震に避難所に行くことも考えるがいまひとつ踏ん切りがつかない。昨夜は家で過ごした。ベットの下から突き上げる揺れと音で何回も目が覚めた。そのたびに外へ逃げるかどうか判断に戸惑った。睡眠不足も甚だしい。新聞を読むのもただその文字を追うだけ、中身はぜんぜん理解できていない。痴ほうかと疑いたくもなる。
家の中は荒れ放題。地震の合間に、ほそぼそと割れた食器などの整理をする。冷蔵庫が大きくずれている。ピアノも立ち位置が変わった。元に戻そうと押しては見たが、老人夫婦の全く無力なことを知った。家の片付けも、地震が収束するまでは手の打ちようがない。大きな被害を受けられた方々には申し訳ないが、幸いなことに我が家の被害はないに等しい。2・3日は食べ物もあると自分自身を慰める。だが、余震の続く明日はわからない。
午後3時過ぎに断水していた水道がやっと復旧した。だが、出てきた水は濁って飲めない。飲むことのできる水は小さなボトルにあとわずか、あわてて近くのコンビニに走った。ところが店は締まっている。店の入口に「弁当が届き次第、店をあけます」と張り紙がある。店の前にはいつ開くかわからぬ開店を待っ人たちの長い列ができていた。でもラッキー、市から支給された水を持って娘夫婦と孫が訪ねてきた。
テレビに次々と映し出される各地の被災状況には目を覆いたくなる。倒壊した家や倒壊寸前の家々、1階がつぶれぺしゃんこになったビル、大規模な土砂くずれ現場、落下した橋など。その下にはいまも救援を待つ人達がいるのではなかろうか。救援活動に携わる警察や自衛隊の方々に頭がさがる。
八代市役所のビルが損傷し崩壊の恐れがある。事務は各支所に分散したが、そこでの救援活動はままならないことだろう。宇城市役所庁舎も崩壊の恐れがあるという。この地震の被害はどこまで広がることだろう。小学校の一時休校を決めた自治体がある。病院、デパートも地震で大きな被害を受け長期にわたり営業できないところがある。スーパーはどうやら明日から開くところが多い。
何よりもこの地震。1日も早い収束を願うばかりだ。