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4月10日は記念すべき大切な日

2016-04-10 15:12:03 | 日記

  人それぞれに記念すべき大切な日があります。私にとって記念すべき大切な日の一つは4月10日です。この日は、中学を卒業したばかりの15歳だった私の、公務員人生の出発の日であり、1人前の社会人としての第1歩を踏み出した日でもあります。

 4月10日は、電気通信省が有線通信士を養成する研修機関「熊本電気通信学園」に入園した日です。入園式で「職級 事務員補」「所属部課 熊本学園普通電信科訓練生」「俸給2給2号」とある辞令書をいただきました。晴れて公務員の仲間入りをし、訓練を受けながら給与までいただくこととなったのです。

 その前日、当時、住んでいた門司市(現在は北九州市)から、付き添いの母と一緒に門司港駅23時15分発の都城行の夜行列車に乗りました。上熊本駅に着いたのは午前4時50分です。

 入園式は午前9時から始まりました。学園長の訓話を聞きながら、果たして9か月の訓練を無事に終えることができるか、親子ともども心配でなりませんでした。学園は全寮制です。式が終わるとすぐに入寮です。寮は木造の2階建て15畳の8人部屋がいくつも並んでいます。おじさんのような高卒の方2名と、こどものような中卒6名の総勢8人が、研修期間の9ヶ月間、同じ部屋で生活を共にすることとなりました。

 食糧難の時代です。いつもおなかをすかせたものです。学園で通信士になるための研修を受けるのですがそれは大変でした。周囲について行くのがやっとのこと、毎日のように試験があります。つい弱気になって、いつ投げ出そうかと子ども心に悩んだことが、昨日のことのように思い出されます。でも、楽しい思い出もたくさんできました。修学旅行で京都に行くことが出きました。梅雨の時季、雨空の下で初めての阿蘇登山も懐かしく思い出されます。

 在園中には何度か休みを利用して門司へ帰省しました。土曜日の授業が終わるとすぐに、上熊本駅から13時発の普通列車に乗ります。上熊本~門司港間の所要時間は約7時間。ずいぶんと時間がかかります。立ったまま座ることができないこともありました。急行列車では少し早くなるのですが、薄給の身、それは高根の花でした。

 家に着くのは21時過ぎ。翌日は23時発の夜行列車に乗って、月曜日朝の帰寮です。家族とゆっくり過ごす時間はほとんどなかったのですが、亡き母の嬉しそうな顔が昨日のことのように目に浮かびます。

 北海道新幹線が3月26日に開業しました。南は鹿児島から北の函館まで新幹線で繋がりました。門司~熊本間の普通列車が7時間もかかった時代を知る者にとって新幹線は夢のようなものです。時代のうつろいを痛感します。

 普通列車で約7時間かかった熊本(上熊本駅)~北九州(門司港駅)間は、新幹線では約1時間30分。まさに通勤圏内となっています。