*六川光(エリゼ光)Meets熊澤茂吉(熊澤酒造六代目)がついに実現
!!
ことの起こりは9月末、店舗を横浜-山手に移し新たにスタートしたナチュラルフレンチの名店
エリゼ光 を訪問した日に遡る―。
ディナーが終わり、テーブルに挨拶にやってきた六川シェフとの雑談の折、たまたま話題に上った“シェリー樽仕込みの日本酒”。
弱冠37歳の青年社長が仕切る湘南唯一の蔵元、茅ヶ崎の熊澤酒造敷地内にある創作料理店【天青】でのみ飲むことが出来る幻の銘酒です。
「飲んでみないと!出来ることなら六代目と直に話をしてみたい!!」というシェフの一言に、「とりあえずは飲みに行ってみますか」というノリでした。
茅ヶ崎のことならスティーブ@茅ヶ崎氏に話を通しておかねばと、いきさつを告げたところ「行きつけのレストランのシェフが六代目と面識があるから、うまく行けば会見実現もアリかもよ」というミラクルなお返事が!
あっという間に話が「一大イベント」化していったわけです。
9/27の記事 で熊澤酒造について触れた際、六代目が蔵元を盛り上げるために次々と新たなことに挑戦してきたことを紹介しましたが、食の世界での可能性を更に追及したいと意欲的な六川シェフも六代目と同じ37歳。この2人が出会うことによって、湘南の食文化に新たな1ページが加わるきっかけになるのでは―と、外野の私めは俄然ワクワクしてきましたよ
。その瞬間に立ち会えるとなればこれほど光栄なことはないじゃないですか!
というわけで、トントン拍子に11/1(水曜日)と日にちも決定。結局当日
蔵元創作料理 天青 に設けられた一席に集うこととなった面々は総勢9人という大所帯! まーこりゃちょっとした宴会だわね。
エリゼからは六川シェフとマネージャーの藤野女史、茅ヶ崎フレンチの名店
シェ・ヒャクタケ の百武シェフ(実はこの人が六代目との仲人)、スティーブ氏と奥様、王様ご夫妻、それに私と一水という、そうそうたる顔ぶれとなりました。
結果的には湘南グルメ、ゴージャスヴァージョ――ン
というわけです。
熊澤酒造の入口
欧州のビール醸造所を思わせるモダンな造り。
一瞬茅ヶ崎にいることを忘れてしまう(画像はランチ訪問時のもの)。
夕方に茅ヶ崎駅改札で落ち合い、3手に分かれていざ香川にある熊澤酒造へ!
18:30からの宴を前に、酒蔵も見せてもらっちゃおう(要予約)と30分早めに到着。
杜氏の五十嵐哲郎さんにお話を伺いました。
明治5年創業という歴史ある蔵元-熊澤酒造も、かつては決して評価が高いとはいえないお酒を造っていたのだそうです。
「こんなことじゃダメだ!」と奮起した若社長と五十嵐さんが6年前に蔵を縮小し、新ブランド「天青」を立ち上げました。
それにしても、2000石の蔵を500石にまで縮小するとはなんと大胆な決断でしょう。
社長が年寄りではこうはいかないはず。六代目蔵元が37歳、杜氏の五十嵐さんは弱冠33歳です。
ブレーンの若き情熱に支えられた酒蔵なんですね。
蔵の内部はシンプルそのもの
少人数が効率よく作業出来るよう随所に工夫がなされ、素人目にもとても機能的。
酒蔵は、想像していたよりずっとこぢんまりとしていました。
この簡素な施設の中であの銘酒が生まれると思うと、酒造りの工程に手作業が占めるウェイトは計り知れません。
洗米・浸漬用の袋は、10kg単位の手作業で使う蜜柑ネットほどの大きさ。米に負担がかからないように小分けにし、小さな洗米機で洗い米に水を吸わせます。かかる手間暇がどれほどのものか容易に想像出来るというものです。
この後蒸したお米は自然放冷して麹室へ。
丹沢の伏流水を引く井戸
酒蔵の敷地内には3つの井戸がありました(画像はランチ訪問時のもの)。
農協ルートでは酒造りに最適な米は入って来ないという事情もあり、4年前から兵庫県の山田錦、福井県や富山県から五百万石を自らの足で取り寄せられるようにしたそうです。
仕込み水は、丹沢に降った雨水が伏流水となって70年もの歳月を経て蔵下の井戸に流れ込んだもの。
ミネラル分が豊富な優良水であるこのお水は、レストランで飲むことが出来ます。
----------------------------------------------------
利き酒で一番人気の千峰(純米)
葡萄の出来がヴィンテージを左右し、それがひとつの楽しみとして定着しているワインとは異なり、杜氏の技量1つで美味くも不味くもなるという日本酒。
お米の出来の悪い年は「メチャクチャ燃える!」という五十嵐氏の頼もしい言葉には自信が満ち溢れていました。
----------------------------------------------------
湘南ビール
熊澤酒造を代表するもう一枚の看板商品。
左から、ビター、リーベ、ルビー。
黒ビールの「湘南リーベ」は本年度ワールドビアカップで銀賞をGet!
----------------------------------------------------
説明を聞き始めて10分ほど経過した時、六代目登場!
若き青年実業家としてかなりマスメディアに露出している六代目は、すでに湘南の顔。
こっちは一方的によく知った存在なので、初対面にもかかわらず「あ、どうも。本日は宜しくお願いしま~す」と挨拶後は即お友達モード(考えてみれば相当失礼なことなのだけど、実際そうだったんです)。初対面で親しみを覚えるのは、気取りもおごりも無い氏のお人柄所以でしょうか。こざっぱりと髪を短く刈り込み、ブルーのシャツにチノパン姿の若社長はなかなかのイケメンです(写真で見るよりいい男でした)。
今回のイベントの立役者である百武シェフ、金髪のツンツンヘアーにサングラスが普段のコックコート姿とギャップありすぎ(^^;)。ちなみに百武さんも37歳。「おおぉ~久しぶりぃ」と六代目と親しげにやりとりする様は不思議な光景だったなぁ。
ってか、湘南って結構狭いよねぇ。
茅ヶ崎在住の六代目と百武さんが知り合いというのはまあ「ありがち」としても、百武さんと六川さんが「ほとんど親友」という間柄だってのは、偶然にしては出来すぎな気が…。
あ、そういえば私がネットで知り合ったスティーブ氏も王様もフタを開ければご近所の住人だったわけだし…。
え?待てよ。
最初っから六代目と百武さんが知り合いだと分かってたら、私たちが間に入って小細工するまでもなかったのでは(百武さんが六川さんに六代目を紹介すれば良かっただけの話で)???
う~む………。
まー(ひょっとしたら)湘南の食文化を変えるきっかけとなる一夜に立ち会うことが出来たわけだし―良しとしよう!
というわけで、宴会場―じゃなかった(爆)、宴の席へGO!
(
お食事編に続く!)