スティーブ@茅ヶ崎さんからの投稿です。
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ナンシーさん
お久しぶりです。これから少しずつ投稿を続けます。
今年は日本におけるイタリア2007年・春(Primavera Italiana)ということでいろいろな催しが行われていますが、このダヴィンチ展などはその尚美とも言うべき象徴的な企画でしょう。(残念ながら6月17日までです)
ダ・ヴィンチの傑作「受胎告知」を中心に、手稿をもとに制作した模型や映像などから、ダ・ヴィンチの芸術から科学にわたる広範な試みを紹介する本展のみどころです、
とは主催者の説明です。
フィレンツェのウフィッティ美術館には「ヴィーナスの誕生」というルネッサンスの象徴とも言うべき絵画がありますが、私は個人的にはこのダヴィンチの受胎告知のほうが好きです。
宗教絵画の特徴はそのテーマ性にありますが、この受胎告知もその一つで、昔から多くの画家が描いて来ました。
そしてその作風でその時代が分かるのです。
例えば添付した写真の金色の帽子をかぶっているものは、ビザンチン風の描き方で、その点このダヴィンチの受胎告知は端正、精緻な上に端々に張りめぐらす精巧な技術による圧倒的な表現力で宗教画の最高峰の一つと言われる所以です。
ただ残念なのが会場に飾ってある絵がこれ一つで、従って誰もがこの絵に殺到してしまい係りの女性から「歩け!進め!」の連呼を受けておちおちこの絵を眺めていられないのです。
ウフィッティ美術館には他にヴィーナスの誕生など名画が綺羅星のごとくに並んでいますからこの絵だけに集中することはないのです。
それで私のように少しでも美術史を学んだ者にとっては、この絵を前にして「立ち止まるな!」の連呼は非常に辛くて、理解は出来るのですがもう少し何とかならないかと思いました。
要はもう少し他の絵も飾っておけばよいのですが。
なおPrimavera Italianaの内容は下記をご参照ください。
http://primavera-italiana.net/event/list/?md=cat4&past=0
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ご投稿ありがとうございました!