幾重にも連なる赤い鳥居に、はためく幟―1度見たら忘れられない印象的な風景。
*野生のリスが遊ぶ「隠れ里」のお稲荷さん
鎌倉駅西口からトンネルをくぐり常盤方面へと向かう道は、私のお気に入りの散策路。
市役所や税務署、居心地のいいカフェやレストランが点在する緑多い閑静な住宅地が続きます。
この道を法務局の前で右折し、「左佐助道」の石碑に従い参道に入ると、その突き当りが「佐助稲荷」です。
社務所(下社)
参道手前の左脇にあります。
こんなに社と遠く離れた社務所は珍しい。神社の縁起は此方の立札に書かれています。
蛭ヶ小島に流されていた源頼朝公が病に伏せていると、3晩続けて白髪の翁が夢枕に立ったそうな。
翁は鎌倉の「隠れ里の稲荷」と称し、自分が守るから、平家追討と天下統一を成就せよと頼朝公に勧めました。その後鎌倉に入り幕府を開いた頼朝公は、佐助ヶ谷にその稲荷と思われる小さな祠を見つけ、早速社殿を再建し神恩に感謝の意を表したといいます。
手水舎(行きにはうっかり見過ごした!)
入口はホントに普通の民家の間にあるので、「えっここに?」と思いますが、歩を進めるごとに景色が変わり、いくつもの幟がはためく赤い鳥居をくぐりながら進むと、まるで深い山奥に分け入るような気分になります。
参道の石段の両脇には何体もの狐の石像が
拝殿
石段を上りつめると、そこには小さな社殿(拝殿)が立っていました。拝殿の右脇にも狐がいっぱい!
本殿
さらに裏山に設けられた石段を上ると、鬱蒼と繁った老樹に覆われた本殿が現れます。
「佐助稲荷」という名は「佐殿(すけどの)」と呼ばれていた頼朝を助けたことからつけられたと伝えられています。
御祭神-宇迦之御魂神は、豊漁商工業産業の繁栄、商売繁盛の守護神ですが、頼朝公の源氏再興を助け、出世の後押しをしたことから「おたすけ稲荷」「出世稲荷」「勝利稲荷」とも呼ばれているとか。
境内には縁結びの11面観音も祀られていて、小さいながらも霊験あらたかな神社のようです。
この鳥居をくぐると、源氏山に続くハイキングコース
霊孤泉(れいこせん)
佐助の稲荷山は往古より麓の田畑を潤す水源の地なり。 生命の基のこの湧水を人々霊孤の神水と称え家々の神棚に供えて 稲荷のご神徳を戴くなり。 今に至るも絶えず沸きいづる霊孤の泉なり。
(立札より)
人懐っこい台湾リス
餌付けをしているせいで近づいても逃げません。
鎌倉ではリス被害が深刻化して駆除を検討中らしいですが…。
絶対反対! なんとしても他の対処法を考えて下さい
リスと戯れていたらあっという間に時間が経ってしまった。
もと来た道を戻り、次なる訪問スポット「銭洗弁天」へ。
鳥居をくぐり石段を下りていると、あっちからこっちから「グエッ、グエッ」と不気味な鳴き声が。
何故山の中でカエルが?と思ったら、なんとあの可愛らしいリスくんたちがお話していたのです。
ひぇぇ~リスの声って全然可愛くないんだ!? てか、こんなデカイ声で鳴くのね!
上から見下ろす参道の石段
鳥居の数、数えてみればよかったかな?
■佐助稲荷神社
□境内自由 □拝観料なし
□鎌倉市佐助2-22-10
□0467-22-4711